鍵はショートゲームの復調 データで読み解く松山英樹メジャー2連勝の可能性

[ 2021年5月18日 13:08 ]

松山英樹(AP)
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 【福永稔彦のアンプレアブル】米男子ゴルフの全米プロ選手権は20日からサウスカロライナ州のキアワアイランド・オーシャンコースで開催され、マスターズ王者・松山英樹(29=LEXUS)がメジャー2連勝の偉業達成に挑む。

 約1カ月ぶりにツアーに復帰した先週のAT&Tバイロン・ネルソンでは優勝争いに加わることができず39位に終わった。大舞台に向けて仕上がり具合はどうなのか。

 全体と比較して選手の力をより正確に測る指標ストロークゲインドの各部門の数値を、マスターズ前週のテキサス・オープンのデータと比較してみた。

 30位だったテキサス・オープンでは、ティーショットのスコアへの貢献度を示すオフ・ザ・ティーがマイナス3・160(72位)でドライバーの精度に難があった。

 グリーンを狙うショットの貢献度を示すアプローチ・トゥー・ザ・グリーンは17位の3・281。アイアンは好調だったことが分かる。

 ではショートゲームはどうだったのか。パッティングはマイナス0・966(56位)に低迷したが、アプローチの指標アラウンド・ザ・グリーンは4位の4・438をマークした。

 マスターズでもフェアウェーキープ率は37位の64・29%にとどまったが、パーオン率は69・44%で7位。ティーショットにやや苦しみながらも、アイアンショットでカバーし、アプローチと、復調したパットでスコアをつくった。

 大会自己最少の65を叩き出した第3ラウンドが象徴的だった。フェアウェーキープ率は35・71%にもかかわらず、パーオン率は66・67%。合計パット数は全体で最少の25にまとめた。

 AT&Tバイロン・ネルソンでは、オフ・ザ・ティーが2・602(17位)、アプローチ・トゥー・ザ・グリーンが3・200(15位)でティーショット、アイアンショットの数値は高かった。

 パッティングは1・026(39位)にとどまったが、テキサス・オープンに比べれば悪くない。問題はアプローチ。アラウンド・ザ・グリーンはマイナス4・488で72位。グリーン周りでスコアを損していたことがはっきりしている。

 あくまで数字上の検証に過ぎないが、メジャー2連勝の鍵はショートゲームの復調にあるのではないか。初日のティーオフまでに感覚を取り戻し、再び日本に吉報を届けてくれることを期待している。(スポーツ部専門委員)

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2021年5月18日のニュース