照ノ富士 天敵・高安討ち無傷9連勝、9日目で2差単独首位はV率100%

[ 2021年5月18日 05:30 ]

大相撲夏場所9日目 ( 2021年5月17日    両国国技館 )

高安(右)を叩き込みで下す照ノ富士(撮影・久冨木 修)
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 21場所ぶりに大関復帰した照ノ富士は関脇・高安をはたき込み、無傷の9連勝とした。大関・貴景勝が2敗に後退。9日目終了時点で優勝争い単独トップが後続に2差をつけたのは過去20例で、全員が賜杯を抱いている。優勝確率100%で独走のまま後半戦も突っ走る。2敗は貴景勝、小結・御嶽海、平幕の逸ノ城、遠藤、千代大龍で計5人となった。

 後続を引き離しても照ノ富士は淡々と取組を振り返った。「(土俵際で)残った感覚はあったので。(まわしを取れなくても)我慢して良かった」。この日の相手、高安には過去7勝12敗。昨年7月場所で幕内復帰して以降は4連敗で、賜杯を抱いた2場所(昨年7月、今年3月)でも苦杯をなめさせられた。

 “天敵”相手に、この日も立ち合いで狙いの左上手をつかめなかった。それでも低い姿勢を保って攻めの糸口を探る。押し合う展開から左で頭を押さえられ、右ですくわれ、前のめりに体が泳いでも諦めない。土俵際、右足一本で残しながら、はたき込み。相手が前のめりに崩れるのを確認する余裕があった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「よく残った。投げられた時によく足が出たし柔らかい。調子がいい感じ」と劣勢でも星を拾える要因を指摘。さらに「優勝経験があるので精神的にぶれない。そうなると優勝の確率は高くなる」と照ノ富士の優勝に“当確”ランプをともした。

 データからは優勝確率100%だ。9日目終了時に単独トップが後続に2差をつけるのは17年九州場所の白鵬以来で、過去20例の全員が優勝している。大きな1勝を挙げても本人は表情を緩めず「自分の相撲を取るだけなので」と冷静。難敵を乗り越え、連覇へ独走態勢に入った。

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2021年5月18日のニュース