一代年寄は「異形の資格」 有識者会議が提言書、八角理事長に提出

[ 2021年4月19日 18:40 ]

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内昌之委員長(右)から提言書を受け取る日本相撲協会の八角理事長(代表撮影)
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 日本相撲協会に設置された「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の第11回会合が19日、東京都墨田区の両国国技館で開かれ、協会の八角理事長(元横綱北勝海)に提言書を提出した。理事長は記者会見で「今後の協会の糧にしたい。真摯に検討していきたい」と受け止めた。

 約50ページの提言書では、現役時代に著しい実績を残した力士が引退後に現役名のまま親方になれる「一代年寄」の存在意義を示すものは見いだされないと論じるなど、多岐にわたった。一代年寄は継承が許されず、大相撲の師資相承の伝統から外れた「異形の資格」と表現。協会の定款に根拠となる規定はないなどと説明した。

 外国出身力士に大相撲の伝統文化を理解させることを「入日本化」とし、師匠の指導力や協会のガバナンス(統治)の重要性を指摘した。山内昌之委員長(東大名誉教授)によると、委員8人は外国出身力士は各部屋1人との原則を総じて支持したという。適任者がいれば女性の外部理事を登用することや、「守るべき伝統を再確認する委員会」の設置も提言された。

 この会議は暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導方法などについて外部有識者による協議を要請され、2019年に創設。プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長や俳優の紺野美沙子さんらが委員を務めた。

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