19歳山下美夢有が5打差圧勝でツアー初制覇!01年度生まれ「新世紀世代」笹生に続く2人目快挙

[ 2021年4月19日 05:30 ]

女子ゴルフツアーKKT杯バンテリン・レディース最終日   ( 2021年4月18日    熊本県 熊本空港CC=6501ヤード、パー72 )

優勝トロフィーを手に笑顔の山下(撮影・岡田 丈靖)
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 2打差4位から出た「新世紀世代」の山下美夢有(19=加賀電子)が7バーディー、1ボギーでこの日のベストスコア66をマークし、通算14アンダーに伸ばしてツアー初制覇を果たした。01年度生まれでは笹生優花(19=ICTSI)に続く世代2人目の初優勝。14年の通算11アンダーを更新する大会記録で、2位に5打差をつける圧勝だった。

 優勝直後のインタビュー。これまで支えてくれた人への感謝で山下の目には涙があふれた。「優勝できるって思っていなかった。凄くうれしくて、泣いてしまいました」。優勝の「グリーンジャケット」姿で臨んだ会見では19歳のいつもの表情に戻る。身長1メートル50。ジャケットのサイズ感を聞かれて「もう、ピッタリ。ちょうどです」とうれしそうに笑った。

 2打差を追って出た山下が、最後に5打差をつけたポイントはパー5だ。4番で89ヤードを52度で1メートル、9番で101ヤードを48度で2メートル、11番で100ヤードを48度で3メートルと第3打を寄せて伸ばした。苦手だったショートゲームの強化が大会新記録の通算14アンダーを生んだ。

 本格参戦1年目の昨年は水を注いだ15キロのポリタンクで筋力トレーニングをするなど飛距離を追求。プロ転向時220ヤードだった飛距離は20ヤード伸びた。だが勝てなかった。オフにツアー通算48勝の中嶋常幸(66)に志願し、ともに合宿。ショートゲームの大切さを教わり、「プレースタイルが変わった」。昨年購入した300万円の弾道測定器を用いて猛特訓。5ヤード単位で打ち分けができるようになった。1打差で優勝を逃した2週前の経験も、優勝争いの最中での精神的余裕につなげた。

 プロテスト合格直後、活躍して「フェラーリに乗りたい」と宣言したという19歳。「買わないです(笑い)。もっと勝って乗れたらいいかな」。01年度生まれの「新世紀世代」2人目の初優勝も、山下にとってはスタート地点だ。

 ◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年(平13)8月2日生まれ、大阪府寝屋川市出身の19歳。父・勝臣(まさおみ)さんの影響で5歳からゴルフを始め、大阪桐蔭高に進学。在学中に受験した一昨年のプロテストは6位で合格。QTでも13位に入り、今季の出場権を獲得した。得意クラブはUTとパター。名前の由来は「美しい夢を持ってほしい」との願いと母・有貴(ゆき)さんの一文字を取って。1メートル50、54キロ。

 ≪大会新通算14アンダー≫通算14アンダー(202)は14年の勝みなみの通算11アンダー(205)を3打更新する大会新記録。身長1メートル50の優勝者は1メートル49の馬場ゆかり(3勝)に次いで、昨年11月に初勝利を挙げた西村優菜とともに2番目の低身長となった。

 ▼中嶋常幸 本当に良かったね。身長はそれほど高くないけど、バランスの良い選手。初めて会ったときにそれを感じました。彼女が練習に来た時に、好不調の波を小さくするのはアプローチとパットだからそこをしっかりやって、あとは連戦が続いても大丈夫な体をつくった方がいいと伝えました。

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2021年4月19日のニュース