日本一曲がらない男 稲森佑貴 ドライバーレッスン【第11回 曲げないための構え方】

[ 2021年3月19日 12:00 ]

日本一曲がらない男・稲森佑貴ドライバーレッスン<第11回曲げないための構え方>
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 第11回のテーマは、インパクトの再現性を高めるクラブヘッドのポジションについてです。稲森佑貴プロによれば、ボールから少し離れたところにヘッドをセットするのがポイントとのこと。一体どのような理由でそうしているのでしょうか。進行役を萩原菜乃花さんが務めます。

 萩原 稲森プロはアドレスのときに、クラブヘッドをボールから少し離して構えるのが特徴ですよね?

 稲森 意識的にやっています。ボールは左足かかとの延長線上に置いていますが、あえてヘッドはボールの近くにセットしていません。ちょうどヘッド1個分ほど離して構えるイメージです。なぜなら、できるだけ体が傾かないようにしたいからです。ボールの位置にヘッドを合わせると、体が右に傾くじゃないですか。それだと、再現性の高いスイングが難しくなります。体の真ん中にボールを置くことによって体の傾きを抑えているんです。

 萩原 肩のラインを水平にするわけですか?

 稲森 クラブを握るとき、右手が左手よりも低い位置にくるので多少は右肩が下がりますが、ヘッドを左に置くよりは水平に近くなります。ちなみに、両手は体の真ん中よりも多少左にくるので、軽いハンドファーストの構えになります。このアドレスがインパクトでボールの位置にヘッドを戻しやすい形なんですよ。

 萩原 イメージとしては、アドレスでヘッドを置いたところがスイングの最下点になるのでしょうか?

 稲森 そういうことになりますね。ヘッドの動きとしては、最初に置いたヘッドの位置からボールまでレベルに動かしていますが、若干上から下ろすイメージもあるので、ひょっとしたら、ヘッドを置いた位置よりも少し左側がスイングの最下点になるかもしれません。

 萩原 ドライバーショットはアッパーブローでとらえるんですよね?

 稲森 確かに理屈ではスイングの最下点を過ぎてからインパクトを迎えるのでアッパーブローになりますが、それを意識すると、スイングの最下点がかなり手前にくるので、フェースの芯でボールをとらえにくくなるんですよ。ボールの上からヘッドを下ろしてくる気持ちでスイングしたほうが結果的に横からヘッドが下りてきてフェースの芯でヒットする確率が高くなります。

 萩原 それでもボールは上がりますか?

 稲森 フェースの芯でボールをヒットできれば、ロフトどおりの高さでボールが打ち出されるので、間違いなく高く上がります。他のクラブと違って、1Wは上げようとしなくても勝手に上がっていくクラブだと認識しましょう。

 萩原 ちなみにアイアンショットのときもボールとヘッドを少し離すのでしょうか?

 稲森 いえ、アイアンショットでは1Wのときよりもボールを内側に入れているので、ボールから離す必要はありません。自然と体の真ん中にヘッドがきます。ドライバーショットとアイアンショットでは、ボールの位置が異なるだけで、ヘッドの位置はほとんど変わらないと認識しましょう。

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか)1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の25歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。 

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