桃田 430日ぶり世界舞台でも王者の貫禄!2年ぶりの頂点へ「出し切るだけ」

[ 2021年3月19日 05:30 ]

バドミントン全英オープン 第2日 ( 2021年3月18日    バーミンガム )

430日ぶりに国際大会に復帰した桃田賢斗(AP)
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 2回戦が行われ、男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(26=NTT東日本)は同31位のインド選手を2―0で退け、準々決勝に駒を進めた。交通事故に巻き込まれる前日の昨年1月12日以来430日ぶりの国際大会復帰戦となった17日の1回戦に続き、2戦連続ストレート勝ち。東京五輪の金メダルに最も近いと言われる日本男子のエースのギアが、また一つ上がった。

 世界王者が、一気に牙をむいた。世界31位との2回戦。桃田は第2ゲーム序盤でリードを許した。9―11の場面から怒濤(どとう)の8連続得点。形勢を逆転し、勝利をかっさらった。「自分が持っているもの全てを出し切って、相手より一球でも多くシャトルを拾おうと思った。バテてもいいから出し切ろうと思った結果いいパフォーマンスにつながった」。強敵の多くは不在の大会だが、順当に8強へ駒を進めた。

 肩慣らしは終わっていた。17日の1回戦。交通事故前日の昨年1月12日、マレーシア・マスターズ決勝以来の国際舞台だった。公式戦復帰戦となった昨年12月の全日本総合選手権は3連覇。だが、今回は独特の雰囲気にのまれかけた。強打のインド選手に受け身に回る場面もあり、第2ゲームはジュースの末の白星。「自分の中では納得のいく試合ではなかった」。修正を期してコートに立った。

 今年1月のタイ遠征が復帰戦となるはずだったが、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性判定が出たため自分だけでなく日本選手団の派遣中止が決まった。さらに、出場予定だった今月9日開幕のドイツ・オープンも中止に。不安な気持ちを引きずったまま今大会に向かったが、2戦連続のストレート勝ち。試合を重ねるごとに感覚を戻している。

 伝統の全英オープンは思い出深い大会だ。19年の日本時間3月11日に初優勝し、第二の故郷・福島へ活躍を届けることができた。だが、リハビリの最中だった昨年は映像でライバルたちの戦いを見るだけだった。目指すは2年ぶりの頂点。「今持っているものを出し切るだけ」。トップランカーが、完全復活を強烈に印象付ける。

【桃田の21年経過 】
 ▽1月3日 タイ遠征に出発する成田空港で受けた新型コロナウイルスPCR検査で陽性反応。桃田は隔離、代表チームは遠征中止となった。
 ▽同14日 保健所の指示により隔離期間を終え、練習再開。ツイッターで「コート上で元気な姿を見せられるように」とコメント。
 ▽2月11日 出場予定だった3月9日開幕のドイツ・オープンが中止に。国際大会への復帰戦が先延ばしとなった。
 ▽3月9日 東日本大震災から10年の節目を前に「元気や感動を与えられるような試合をして金メダルを獲れたら」と語る。
 ▽同12日 全英オープンのため集合した日本代表団はPCR検査を行い、36人全員が陰性の判定となった。
 ▽同13日 全英オープン出発前に羽田空港で「完全に復活した自分を見てもらいたい」と話した。

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