テコンドー 頂点決める大会でフェースシールドもPCR検査も選手自腹

[ 2021年3月8日 05:30 ]

テコンドー全日本選手権 ( 2021年3月7日    東京・駒沢体育館 )

<第14回全日本テコンドー選手権大会>男子74キロ級決勝、浜田(左)を攻める鈴木リカルド(撮影・会津 智海)
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 緊急事態宣言下でフェースシールド着用が義務付けられるなど変則開催された。男子74キロ級では東京五輪代表でただ一人出場した68キロ級代表の鈴木リカルド(20=大東大)が決勝で浜田康弘(28=ベンチャーバンク)に15―17で敗れて2位だった。

 今大会は飛沫(ひまつ)防止のため、フェースシールドの着用が義務付けられた。今回のみの特別措置で、五輪などで着用することはない見込みだが、一部選手からは「下からのキックが見づらかった」との声も上がった。

 協会が指定したフェースシールドは1500円で選手の自己負担だった。また、選手はPCR検査の陰性証明を求められ、他の多くの競技団体が負担する五輪代表の検査費用も自費。同協会は代表合宿での多額の費用負担などの問題で、選手側と金原昇前会長が対立し、前会長が19年12月に辞任する内紛騒動があったが、1年3カ月が経過した現在も、懐事情の厳しさが浮き彫りとなった。

 同協会のスポンサーは現在2社のみだが、今大会はオンライン配信など新たな試みも行っている。木村興治会長は「競技の面白さが伝われば。多くの人に知ってもらいたい」と話した。

 《五輪代表・鈴木準V》東京五輪代表の鈴木は、収穫の準優勝となった。五輪は68キロ級に出場するが、実戦機会も限られるため、あえて階級を上げて74キロ級に挑戦。昨年2月の五輪選考会決勝で死闘を繰り広げた浜田との決勝では、残り15秒を切ったところでラッシュに遭い、14―13から逆転された。ボリビア人を母に持つ1メートル86の長身ファイターは「新しい感覚をつかめた。力負けしない体づくりと蹴りのバリエーションを増やしたい」とプラスに捉えていた。

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2021年3月8日のニュース