【荒磯親方 真眼】バランス良い大栄翔の攻め 隙与えず対処難しい

[ 2021年1月15日 06:00 ]

大相撲初場所5日目 ( 2021年1月14日    両国国技館 )

高安(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・村上 大輔)
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 大栄翔、いいですね。5連勝の内容が素晴らしい。相手の高安も左が入りかけるなどチャンスはあったのですが、うまくかいくぐって、間髪入れずに右、左のコンビネーション。大関3人を破ったのはダテではない。そんな強さを感じました。

 今場所の好調を支えている要因をひと言で言えば、バランスの良さです。多くの場合は右か左、片方に比重を置いて攻めることが多いのですが、大栄翔の場合は両腕を巧みに使いこなしており、常に相手を自分の正面に置いている。裏を返せば、これほど対処の難しい攻めはありません。高安も突き押しの対処はうまい力士ですが、隙を与えなかった。先場所までとは違うバランスの良さは十分評価に値します。

 過去には横綱・白鵬を破ったこともあり、2年近く上位に定着しています。その経験と地道な積み重ねが実を結び、突き押しの精度が飛躍的に上がっている印象です。残り10日。どこまでやれるか楽しみしかありません。(元横綱・稀勢の里)

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