明生5連勝 立浪部屋クラスター乗り越え、初三賞&新三役視界に

[ 2021年1月15日 05:30 ]

大相撲初場所5日目 ( 2021年1月14日    両国国技館 )

徳勝龍(右)を寄り切りで破る明生(撮影・村上 大輔)
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 明生が1年前の優勝力士・徳勝龍を寄り切り、明瀬山、大栄翔とともに勝ちっ放しを守った。所属する立浪部屋では昨年12月、新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、感染を免れた明生も場所前の稽古相手に事欠いた。目標に掲げる初の三賞、新三役へ躍進する白星になった。

 自分よりも約40キロ重い192キロの相手を振り回した。立ち合いで張られたが左下手を引き、投げを打ちながら回り込む。胸が合いかけても頭をつけ、今度は右前まわしを引き付けて寄り切った。土俵際、重いはずの徳勝龍の腰が浮いていた。

 「一瞬胸が合いかけたけれど、すぐ対応できて良かった。いつもと変わらず土俵に上がってます。集中してやりたい」

 自己最長の初日からの連勝を5へ伸ばした。場所前、立浪部屋を襲ったコロナ禍がウソのような快進撃だ。

 昨年12月、幕内・天空海ら力士11人が感染した。部屋頭の明生はLINEで病状を確認し合った。年末までに全員退院したが2週間以上、部屋全体の稽古は中断した。「やれることは限られていた。でも逆にやれることだけやってたら大丈夫かなと考えた」。部屋近くで1人暮らしをするため、外出を控える自粛生活も経験。逆転の発想で乗り越えた。

 不足した稽古量を補うため、筋力トレーニングに励んだ。持病の腰痛や新三役目前の昨年初場所に初土俵以来初めて休場した理由となった左上腕二頭筋の部分断裂は回復傾向。「去年のこの時期は土俵に上がれなかった。ケガしてその思いは強くなった」。土俵に立てることへの感謝の思いを体現している。

 「三役、三賞は目標でしたから」とは師匠の立浪親方(元小結・旭豊)。自己最高位は19年九州場所での西前頭2枚目。2桁勝利は幕内で2度あるがいずれも三賞に届かなかった。明生は残り10日間の土俵に自己新記録を期している。

 ◆明生 力(めいせい・ちから、本名川畑明生)1995年(平7)7月24日生まれ、鹿児島県瀬戸内町出身の25歳。奄美大島の篠川中卒業後の11年5月の技量審査場所で初土俵。16年九州場所で新十両、18年名古屋場所で新入幕。1メートル80、151キロ。得意は左四つ、寄り。

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