ブラインドマラソン女王、グランプリの道下 東京パラは「チーム」で金!

[ 2020年12月8日 05:30 ]

スポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2020」表彰式 ( 2020年12月7日    東京ドームホテル )

スポーツニッポンフォーラムグランプリを受賞しグリコポーズの佐藤琢磨(中央左)とガッツポーズの道下美里(同右)。左はミス日本・小田安珠さん、右はミス日本「ミス着物」・青木胡杜音さん(撮影・島崎忠彦)
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 笑顔の花を、来年の東京パラリンピックの舞台で咲かせる。ブラインドマラソン界の女王、道下はグランプリを受賞し「最初はダイエット目的で走り始めた私が、こんな晴れやかな舞台でアスリートとして表彰してもらえるなんて夢のよう」とほほ笑んだ。

 道下の強さには“仲間”の存在が大きい。20~70歳までの伴走者約10人で構成する「チーム道下」とともに、練習に取り組んでいる。道下はもちろん、伴走者も厳しい自主練習を怠らず、フルタイムの仕事をこなしながら、早朝5時から坂道ダッシュ、月間1000キロ以上も走り込む仲間もいる。「なんでそんなに練習するの?って聞いたら“みっちゃんと来年の東京のためだよ”って。サポートがたくさんある中で(結果を)出せないわけがない」と口にした。

 16年リオデジャネイロ・パラリンピックの銀メダルは、あくまで「通過点」という。瞬間のうれしさはあったが、狙っていたタイムではなかった。だからこそ、東京パラでさらなる高みを目指す。

 19年世界選手権で優勝。今年2月の別府大分毎日マラソンでは、自身が持つ世界記録を1分52秒更新する2時間54分22秒をマーク。来夏の祭典で金メダルを手にする準備は、着々と進んでいる。

 「たゆまぬ努力を続けながら、進化を続けていきたい。東京では仲間と一緒に喜びたい」。はじける笑顔で、駆け続ける。道下の挑戦はまだまだ終わらない。

 ◆道下 美里(みちした・みさと)1977年(昭52)1月19日生まれ、山口県下関市出身の43歳。小4で角膜の病気(膠様=こうよう=滴状角膜ジストロフィー)を患い、中2で右目の視力を失う。のちに左目も発症し、視力は0.01以下。26歳で陸上を始め、31歳でマラソンに転向。16年のリオデジャネイロ・パラリンピックで銀メダルを獲得。1メートル44、36キロ。

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