【金哲彦の目】正直驚いたハーフ61分台以内13人、順大・三浦はもっと活躍する選手になる

[ 2020年10月18日 05:30 ]

第97回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 ( 2020年10月17日    東京・陸上自衛隊立川駐屯地周回コース=21・0975キロ )

日本人トップ5位の順大・三浦龍司(代表撮影)
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 ハーフマラソンで61分台以内が13人も出たのは正直驚いた。周回コースに加え、平たんで気温も低かったのが走りやすかった要因の一つ。厚底シューズ効果もあったと思うが、実力が高い予選会だという印象を受けた。

 特に順大の1年生・三浦選手は初ハーフにもかかわらず61分台は20キロ換算だと58分台で相当速い。3000メートル障害の選手はハードリングがうまいタイプと走力があって障害もこなせるタイプに分けられるが、三浦は後者の走力がある選手。3000メートル障害だけではなく、5000メートル、1万メートルを含めてもっと活躍する選手になるはずだ。

 予選会の結果で、シード校は戦々恐々としているんじゃないか。順大の記録を見たら1キロ3分を切っている。青学大の原監督も相当肝を冷やしているんじゃないかな(笑い)。とはいえ、本番では青学大、東海大などが中心になるのは間違いない。予選会から勝ち上がった順大、中大がどこまで上位に絡めるかに注目したい。

 今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のために駐屯地内という特殊な環境で行われたが、ロードレースが軒並み中止となる中で大会を開催できたのは大きな一歩だと感じた。無観客だったが、個人レースではないのであまり気にならなかったと思う。オペレーションもうまくできて、記録を見ても相当走れている。「これはできる」ということで選手たちは次の目標に向かってやれる手応えをつかんだと思う。

 運営側は感染防止を第一優先で考えないといけないが、コロナ対策の実績づくりになったはずだ。予選会や今後予定されている駅伝大会開催に向け、大人数の市民マラソンは難しいが、選手だけが参加するロードレースはできるという証にもなったと思う。(駅伝マラソン解説者)

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