松岡修造氏 増やしたネットプレー、完成が楽しみな錦織の新スタイル

[ 2020年9月29日 05:30 ]

テニス全仏オープン第1日 男子シングルス1回戦 ( 2020年9月27日    パリ・ローランギャロス )

フルセットの末、エバンズを破り初戦突破した錦織(AP)
Photo By AP

 男子シングルス1回戦で世界ランキング35位の錦織圭(30=日清食品)は同34位で第32シードのダニエル・エバンズ(30=英国)に1―6、6―1、7―6、1―6、6―4で競り勝った。右肘手術などを経て、今月上旬に約1年ぶりに公式戦に復帰。昨年の全米オープン以来の4大大会で6年連続で初戦を突破した。2回戦ではステファノ・トラバリア(28=イタリア)と対戦する。スポーツキャスターの松岡修造氏(52)が1回戦を分析した。

 別人のようなプレーだった。今まで錦織がこんなにネットに出ることはなかった。ベースラインの後方で走って勝つのは年齢を重ねると厳しくなってくる。ポイントを早く終わらせるスタイルに変えないと、今後は生き残れないという判断があるのだろう。タイブレークの大事な場面でネットに出てボレーを決めるなど、新たに挑戦している形を実践して勝てたことは大きい。5セットを戦い“ファイナルセットの錦織圭”という感覚もよみがえったのではないか。

 第1セットは動きがもたつき、転ぶんじゃないかというぐらいバランスも悪かった。第2セット以降は持ち直したが、世界ランキング4位の頃の錦織と比べたら状態は半分以下。読み、走る速度、切り替えが、1歩ではなく、3歩ぐらい遅く、見た目のシャープさもない。これは試合で戻していくしかない。その意味で組み合わせには恵まれた。エバンズはクレーが苦手で、大事な時に勝手にミスをしてくれた。次も悪くない相手。勝利を重ねることで、自信とテニスの感覚が少しずつ戻ってくると思う。

 錦織は元々ネットを突くのがうまいので、ネットプレーを増やすことは無謀なトライではない。それでも前に出るスピードはまだまだ遅く、ストロークと良い形で合体して花が咲くには時間がかかる可能性が高い。独特の感性を生かした錦織にしかできない形が完成するには1年近くかかると思う。新しいスタイルの完成形を見られるのがちょうど東京五輪の時期と考えるとワクワクする。(スポーツキャスター)

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「NBA」特集記事

2020年9月29日のニュース