IOCバッハ会長 東京五輪の観客制限示唆「検討すべきシナリオの一つ」

[ 2020年7月19日 05:30 ]

IOC総会に出席したバッハ会長=17日、ローザンヌ(IOC提供)
Photo By 共同

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は17日、オンライン形式で開かれた総会後に会見し、新型コロナウイルスの影響で来年へ延期となった東京五輪で観客数を制限する可能性を示唆した。渡航制限や隔離措置などのコロナ対策次第で「検討すべきシナリオの一つ」とコメント。一方、観客数削減の判断は「時期尚早だ。それは我々が望んでいる形ではない」とも強調した。15日の理事会後には無観客開催に否定的な見解を示しており、「スタジアムを熱狂的なファンで満たしたい」と通常開催を希望した。

 コロナ対策やコスト削減策の一環として開閉会式を簡素化するかについて「式典は大会組織委員会が決めること」と指摘。その上で「日本の文化や五輪の価値を示す機会になる。アスリートや10億人以上の世界の視聴者にとって一生に一度のイベントにしたい。組織委が五輪精神とコロナ対策のバランスが取れた式典を実施すると思う」と縮小の可能性には言及しなかった。

 《ボイコット警告》バッハ会長は再選へ出馬表明した総会で、スポーツの政治利用に警告を発した。西側諸国がボイコットした40年前のモスクワ五輪の例を挙げ、「五輪のボイコットは真の危険だ。政治への影響は全くなく、参加しない国の選手が損をするだけだ」と訴えた。香港国家安全維持法などで国際的な批判を受ける中、22年北京冬季五輪を開催予定の中国を念頭に置いた発言かは明らかにしなかった。

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2020年7月19日のニュース