渋野 下半身トレで「切れ」増した21歳ますます期待 ロスなく連動性UP

[ 2020年6月24日 05:30 ]

20年しぶこの進化 心・技・体

昨年11月のリコー杯、3日目ホールアウト後に渋野を指導する斎藤トレーナー
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 一回り大きくなった下半身に、オフのトレーニングの充実度が表れた。約4キロ増。新たなシーズンを戦う渋野の体には、この半年の間に変化が起き始めている。

 昨年11月から体づくりと体調管理を担当する斎藤大介トレーナー(34)は、昨季全米女子オープン覇者の李晶恩(イジョンウン)(24=韓国)らのトレーニングも手掛けてきた。渋野を見た最初の印象は「スイングもパワフルで飛ぶけど、いろいろとロスしているな」というものだった。

 目標の米ツアーにどのようにアプローチするか。初めに斎藤氏、青木翔コーチ(37)、渋野の3人で話し合った。渋野の握力は50キロ。同世代日本人男性の平均45・97キロを上回る。高いポテンシャルを生かすため「連動性」と「切れ」をキーワードに計画を練った。

 青木氏が体の動きを確認し、斎藤氏と理想のスイングには何が足りないのかをフィジカル面から突き詰める。例えば、インパクト後に低く長いフォローを出すために、股関節やお尻回りを鍛えるといった具合だ。トレーニング翌日から2日間は筋肉痛になるほどの負荷。スイング中の関節、筋肉の正しい動きを体に刷り込むことで連動性を高めていった。

 その結果、斎藤氏は「切れが明らかに増している」という。ウッドのシャフトをハードヒッター向けのフジクラの「ベンタス」(硬さS)に差し替えたのも成果の表れ。青木氏も「スピードにクラブが追い付いてこなくなった。去年の体だと打てない」と証言した。

 世界トップ選手を知る斎藤氏も「ポテンシャルは見てきた選手で1番。伸びていく一方という状態」と明かす。飛距離も10ヤードアップとスケールアップした渋野だが、今の状態は世界最高峰の舞台で戦うための通過点。21歳の体は、まだまだ“発展途上”だ。(特別取材班) 

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2020年6月24日のニュース