IOCバッハ会長 “簡素化”東京五輪を評価「大きな進展があった」 競技者なしのテスト大会も検討

[ 2020年6月12日 05:30 ]

IOCのバッハ会長(AP)
Photo By AP

 国際オリンピック委員会(IOC)は10日、オンライン形式で理事会を開き、新型コロナウイルスの影響で1年延期となった東京五輪について、大会組織委員会からコスト削減や大会の簡素化を掲げた新たな方針の報告を受けた。会見したバッハ会長は「日本の決意や有能さが示された。簡素化やコスト削減で大きな進展があった」と高く評価した。

 IOCと組織委は今後、200を超える項目の見直し案を検討する。IOCのクリストフ・デュビ五輪統括部長はコスト削減や簡素化へ向け「あらゆる手段を講じる」と意欲を示した。同部長は、大会の根幹に関わる競技数や選手数などは維持する一方で、コスト削減策として会場周辺の設備や各競技のテスト大会などを見直す考えを明らかにした。

 組織委が設定したテスト大会は五輪とパラリンピックを合わせて56大会。18年9月から今年3月上旬まで39大会を実施したが、新型コロナウイルスの感染拡大により体操(有明体操競技場)や陸上競技(国立競技場)など17大会が延期となっている。3月6日に行われたスポーツクライミングのテスト大会(青海アーバンスポーツパーク)は感染リスクを考慮し、選手の出場を取りやめるなど規模を縮小して実施。見直し案でも同じような措置が考えられる。

 バッハ会長は「組織委とIOCは完全に方針が一致している」と会見で強調。しかし、大会の開催可否を判断する時期は言及しなかった。

続きを表示

この記事のフォト

2020年6月12日のニュース