勝武士さん 初っ切りで笑いを届けた優しき小兵「元気で明るい性格だった」

[ 2020年5月14日 05:45 ]

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2018年の夏巡業でしょっきりをする勝武士(右)
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 勝武士さんは、1メートル65の小兵ながら気迫あふれる突き、押しで沸かせた。山梨・竜王中を卒業後に15歳で大相撲の世界に飛び込み、中学の1年先輩である兄弟子の幕内・竜電の付け人も務めた。

 14年の春巡業からは禁じ手などをユニークに紹介する「初っ切り」を担当し、コミカルな動きなどで会場を笑いの渦に包んだ。新ネタを考えては夜の公園で練習。「最初は失敗ばかり。子供たちやお年寄りが喜んでくれるのが本当にうれしい。いい稽古にもなります」と汗びっしょりで話していた。

 同じ二所ノ関一門の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は電話取材で「初っ切りをやっていて、連合稽古で稽古している姿も目に浮かぶ。元気で明るい性格だったみたい」と故人の印象を語った。

 ▽初っ切り(しょっきり) 相撲の禁じ手を面白おかしく紹介するもの。江戸時代からあり、現在は巡業や花相撲などで行われている。基本的に幕下以下の力士2人と行司が行う。蹴りや水を吹きかける行為などに加え以前は一斗缶、ピコピコハンマーなどの小道具も用いられた。横綱・栃錦も関取になる前に経験があり、最近は双子の貴公俊(のちの貴ノ富士、引退)と貴源治も幕下時代に務めている。

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