しぶこ劇場開幕!ヤケ食イ~グルに激おこ4パット 逆転クイーンへ好発進3差3位

[ 2019年11月29日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ツアー選手権リコー杯第1日 ( 2019年11月28日    宮崎県 宮崎CC=6535ヤード、パー72 )

11番、2オンに成功し満面の笑みを見せる渋野(撮影・沢田 明徳)
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 賞金ランク3位の渋野日向子(21=RSK山陽放送)が1イーグル、1バーディー、1ボギーの70で回り、首位と3打差の3位と好発進した。9番パー5では8月のAIG全英女子オープン最終日以来となる4パットを喫しボギーとしたが、11番パー5のイーグルですぐに挽回。“らしさ”全開で、72で10位発進となった賞金ランク首位の鈴木愛(25=セールスフォース)を上回り、逆転での賞金女王へ視界が開けてきた。

 またも自作自演の「しぶこ劇場」で、大仕事の予感が漂ってきた。パー5で4パットし、すぐパー5で1パットのイーグル。渋野は「まさかの4パットは本当に情けなかったけど、イーグルが取れて2アンダーで回れたのは良かった」とスマイル全開だ。

 8番まではアプローチが好調で「お先の距離もあったし、大体50センチには寄った」と堅実にパーをセーブ。ところが9番パー5で豪快にやらかした。カップまで残り206ヤードからの第2打をカップの奥10メートルにつけてイーグルチャンス。最低でも2パットでバーディーと誰もが期待した。ところが、下りの第3打は1・5メートルショート。再び下りのバーディーパットは1メートルオーバーした。さらに上りの返しのパットも外し、8月のAIG全英女子オープン最終日以来の4パット。「あれ悲しかったな…。前回は強気だったが、今回は弱気。凄いショートしちゃって。残念です」と肩を落とした。

 パターを地面に振り下ろし怒りのマグマがこみ上げるが、それをエネルギーにできるのも、しぶこの真骨頂だ。インへの折り返しした10番でりんごとちくわを「やけ食い」して迎えた、11番パー5。第2打がグリーン手前のラフで弾んでカップの右1・5メートルに転がった。難なく沈めてイーグル。これで勢いを取り戻すと、16番パー3では第1打を1メートルに運ぶ会心のショットを披露。「うまく切り替えて回ったので70点」と納得の表情だ。

 各選手を悩ませた風対策として、低いショットを心掛けた。球を少し右足寄りに置き、なるべく右手を返さずに押し込む。スウィンギングスカート台湾選手権などでも試みており、青木翔コーチも「台湾はもっと風が強かった。その時の経験が生きているし、初日として上々」と合格点を与えた。

 逆転賞金女王への最低条件は単独2位以上とハードルは高いが、賞金ランク首位の鈴木愛は終盤に崩れて10位。同2位の申ジエも26位と出遅れた。周囲の期待が高まるが、本人は「3パットはしないようにと思っていた。4パットしたけど3パットはなかった。ショットさえ何とか維持できれば大丈夫かな」としぶこ節であっけらかんとしたもの。最終戦での逆転戴冠は2009年の横峯さくら以来。劇的な幕切れが、うっすら見えてきた。

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