中村、アシスト王宣言!松島の要請は“却下”「トライを取るのは幸太朗の役目」

[ 2019年10月5日 05:30 ]

ラグビーW杯1次リーグA組   日本ーサモア ( 2019年10月5日    豊田ス )

練習でパスを出す中村(撮影・吉田 剛)
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 日本の“潤滑油”がトライへの道筋をつくる。

 3戦連続で先発が決まったCTB中村亮土(28)が会見に出席し、サントリーの同僚でトライ王宣言をしたWTB松島幸太朗(26)を、全力でお膳立てする構えを見せた。「トライを取るのは幸太朗の役目なので、いいアシストができれば」。堂々のアシスト王宣言でもあった。

 初戦のロシア戦前の会見で中村は「松島が3トライ取ると言っていた」と暴露。尻に火の付いた松島が、その通りの活躍を果たした。掛け合いは続き、2日の会見で松島から「1トライくらい取って」と要請された中村は「(トライは)僕の役割じゃない。あまり意識していない」と苦笑いした。リーダー陣の1人として、あくまで黒子に徹する構えだ。

 日本中が沸いたアイルランド戦。福岡の逆転トライを呼んだのは、マイボールスクラムからの中村の突進だった。その試合ではバックス陣最多11回のタックルを浴びせ、屈強な壁を消耗させる活躍も見せた。昨年11月のイングランド戦で相手をなぎ倒しながらトライを挙げたように、フィニッシャーの能力も兼ね備えるが、スポットライトを浴びるのはあくまで仲間でいい。「相手のフィジカルに対し、真っ正面でファイトし続ける」。ゲインでタックルで、攻守に体を張る。

 「日本はFWが強くて、外にスーパースターがいる。その中間である僕が、外の強みを生かせるように。そこは自分の存在意義」。サモア戦もきっと、歓喜のプレーの裏には、中村の奮闘がある。

 ◇中村 亮土(なかむら・りょうと)1991年(平3)6月3日生まれ、鹿児島市出身の28歳。中学時代はサッカー部。鹿児島実からラグビーを始め、花園に2度出場。帝京大では4度の大学選手権優勝を経験し、13年5月のUAE戦で代表初キャップを獲得。14年にサントリー加入。代表21キャップ、63得点。1メートル78、92キロ。

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