日本、サモアと怪力勝負 悲願8強へ!姫野、フィジカル「負けない自信ある」

[ 2019年10月5日 05:30 ]

ラグビーW杯1次リーグA組   日本ーサモア ( 2019年10月5日    豊田ス )

サモア戦を前に調整に気合が入る(左から)松島、ムーア、山中、姫野、レメキ(撮影・吉田 剛)
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 日本代表は5日、1次リーグ第3戦でサモアと戦う。4日は会場の豊田スタジアムで練習。ワールドクラスの突破力で2連勝に貢献してきたNo・8姫野和樹(25=トヨタ自動車)が会見に出席し、力自慢の巨体軍団に挑戦状を叩きつけた。地元出身のフィジカルモンスターが、史上初の1次リーグ突破へ真っ向勝負する。 日程&結果

 自国開催に加えて地元開催となれば、どれだけのアドレナリンを生み出すか、計り知れない。サモア戦の前日練習。試合会場のピッチに立ったNo・8姫野は、笑みが絶えなかった。

 「地元でプレーをできることがうれしいし、お世話になった親、指導者、先生がたくさんいる。感謝の気持ちを表現できたら」

 名古屋で生まれ、高校時代まで過ごした愛知。帝京大進学で4年間離れたものの、トヨタ自動車に就職して戻ってきた。験担ぎは、遠征前に名物のウナギを食べること。同じ会場で行われた昨年6月のジョージア戦は、忘れられない思い出だ。「姫野コールをしてくれた。W杯ではここまで成長したと試合で示せたら」。日程が決まった時から、この一戦を特別視してきた。
 
 スコットランドに敗れて決勝トーナメント進出へ後がない相手は、巨体を生かした強烈な当たりが最大の武器。しかし、日本が誇るフィジカルモンスターは、警戒どころか余裕すら漂わせた。ブラウン・アタックコーチが隣に座った会見で宣言した。

 「負けない自信があります。フィジカル面で僕が前に出ないと、ブラウニー(ブラウン・コーチ)に怒られますし、持ち味なのでしっかり出したい」

 姫野に最初にラグビーを教えた愛知・御田中の恩師、松浦要司さん(42=現・志段味中教諭)は昨年12月の会食で、今の活躍を予感していたという。

 「ニュージーランド代表とイングランド代表と戦った感想を聞くと“僕は普通にやれますし、普通に前に出られますよ”と返されました。“やっぱり強い”という回答を予想していましたけど」

 本心を明かせる相手に伝えた言葉こそ、本音だ。世界の一流国にも当たり負けしない自信は、再三の突破を見せたこの2戦でしっかりと証明した。陸上トラックがない球技専用スタジアムでの日本の試合は、今回だけ。スタンドが近く、過去2戦以上の一体感が生まれることは間違いない。勝てば、初の8強に大きく近づく一戦で、4万人以上の声援を背に姫野は突き進む。

 ◆姫野の“筋肉オバケ”列伝
 ☆教師の肘破壊☆ 中3時に、空手経験者の社会科教諭と腕相撲し、右肘じん帯損傷を負わせた。「教室にいたみんなが振り返るぐらい凄い音がした」と姫野。先生はギプス生活に。

 ☆ボディービル仕込み☆ 高校時代にボディービルダー野沢正臣さんの筋トレ指導を受けた。宮地監督は「トレーニングのセンスがあった」。個人練習も欠かさず、みるみるムキムキに。

 ☆まるで…☆ 帝京大時代に指導した岩出監督は、姫野の体つきとあふれんばかりのパワーを見て「まるでプロレスラーだ」と驚がく。

 ☆リーチ降参☆ ベンチプレス170~180キロを挙げる。リーチ主将が「姫野にはかなわない」と認める。

 ◇姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日生まれ、名古屋市出身の25歳。中学からラグビーを始め、春日丘(現中部大春日丘)で花園を経験。帝京大を経て17年4月にトヨタ自動車入りし、1年目から主将を務める。同年11月のオーストラリア戦で初キャップを獲得し、通算14キャップ、15得点。1メートル87、108キロ。ポジションはフランカー/No・8。

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