原沢 復活V!決勝鮮やか内股一本 国際大会3年ぶり金

[ 2019年2月26日 05:30 ]

柔道グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会最終日 ( 2019年2月24日    ドイツ・デュッセルドルフ )

<柔道GS>男子100キロ超級で優勝した原沢
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 男女計5階級が行われ、男子100キロ超級で16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(26=無所属)が決勝でロシア選手に一本勝ちして優勝した。原沢の国際大会優勝は、16年2月のGSパリ大会以来、3年ぶり。17年にはオーバートレーニング症候群で苦しんだ男子最重量級の第一人者が、完全復活の兆しを見せた。男子100キロ級は飯田健太郎(20=国士舘大)が優勝。女子78キロ超級で世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)、男子90キロ級の村尾三四郎(18=神奈川・桐蔭学園高)は2位だった。

 試合中は表情を変えない男が、勝利を確信してポンと一つ手を叩いた。鮮やかな内股で仕留めた後だ。男子100キロ超級を制して復活を印象付けた原沢は「思わず出ちゃいました。何としてもこの大会は優勝したいと思っていた。良かった」と少し口元を緩めた。

 準々決勝は昨年世界選手権3位のウルジーバヤル(モンゴル)、準決勝は昨年GS大阪優勝のフロル(オランダ)と難敵に一本勝ち。持ち前の積極性が出た。ロシア選手との決勝は序盤に大内刈りを返されそうになったが、冷静にこらえる。

 歓喜の瞬間は開始1分半ごろ。しっかり組んで間合いをつくり「相手が抱きつきにきたところで、うまく入れた」と鋭く右足をはね上げる。お手本のような内股で、リオデジャネイロ五輪前の2016年2月以来となる国際大会優勝を決めた。

 10日のGSパリ大会は2位。今大会は中2週で本人も「初めて」というGS2連戦だった。大会の間には国際合宿で五輪2連覇中のリネール(フランス)とも組み合い、東京五輪前年は充実のスタートを切っている。パリ後、男子日本代表の井上康生監督も「本来の攻撃的柔道を少しずつ取り戻してきている」と評価したが、今回は結果と内容で証明した。

 原沢本人も「パリ、ドイツで積極的に攻めることができていた。この感覚を忘れないようにやりたい」。2017年にはオーバートレーニング症候群と診断され、極度の不振に陥るなど、苦しんでいたリオ五輪銀メダリストが、ようやく輝きを取り戻してきた。

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