ダニエルがツアー初優勝 日本男子4人目 イスタンブールOP

[ 2018年5月7日 02:10 ]

イスタンブールOPシングルス決勝でショットを放つダニエル太郎
Photo By 共同

 男子テニスのイスタンブール・オープンは6日、トルコのイスタンブールでシングルス決勝が行われ、世界ランキング114位のダニエル太郎(25=エイブル)がツアー初優勝を飾った。世界78位のマレク・ジャジリ(34=チュニジア)を7―6、6―4で撃破。日本男子のツアー制覇は松岡修造、錦織圭、杉田祐一に続いて4人目となった。

 第2セットの第10ゲーム、この日3本目のマッチポイントでバックのストレートを叩き込み、ダニエルが悲願の初優勝をつかみ取った。勝利の瞬間はコートに片膝をつき、ウサイン・ボルトの“ライトニング・ポーズ”のようなガッツポーズ。「今週は予選に出るためにポルトガルのエストリルにいた。それが急にこっちの本戦に出られることになって、本当に信じられない1週間になった」。突然の出場決定から、あれよあれよと勝ち上がり、ツアー初の4強入り、決勝進出、さらに優勝トロフィーまで勝ち取った。表彰式では端整なマスクに喜びをにじませた。

 同じくノーシードでツアー初優勝が懸かっていたジャジリとの決勝は、第1セットだけで1時間26分を要する熱戦となった。ダニエルは第9ゲームで先にブレークを許したものの、第10ゲームで遅延行為で警告を受けたジャジリの動揺を逃さずにブレークバック。第12ゲームでのセットポイントは逃したものの、タイブレークを7―4でものにした。流れに乗じて第2セットは第1ゲームですぐさまブレーク。第4ゲームで1度は追いつかれたが、第5ゲームで再び相手のサービスゲームを破って突き放した。

 選手として脱皮を図るため、昨秋に長年拠点としてきたスペインを離れた。今季は3月の大会で元世界1位のノバク・ジョコビッチ(30=セルビア)から金星を挙げるなど、さまざまな取り組みが徐々に結実。初優勝という大きな成果にたどり着いた。

 ◆ダニエル太郎(たろう)1993年(平5)1月27日、米国ニューヨーク生まれの25歳。父は米国人で母は日本人。年少期は日本で過ごし、7歳でテニスを始める。父の仕事の都合で14歳でスペインに移住し、バレンシアのアカデミーで腕を磨く。10年にプロ転向し、15年11月に初のトップ100入り。レッド・ツェッペリンなどのハードロックとウディ・アレンの映画が好き。日本語、英語、スペイン語に加えてロシア語も話すマルチリンガル。1メートル91、76キロ。

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2018年5月6日のニュース