ジェームズが起死回生のブザービーター キャバリアーズが3戦全勝

[ 2018年5月6日 13:23 ]

ランニングステップからブザービーターを決めるジェームズ(AP)
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 NBA東地区全体4位のキャバリアーズは5日(日本時間6日)、地元クリーブランドで準決勝シリーズの第3戦に臨み、105―103(前半55―40)で1位のラプターズを下して3戦全勝。同点で迎えた残り8秒からのプレーで、レブロン・ジェームズ(33)がランニングステップからバンクシュートによるブザービーターを決めて地元ファンを歓喜させた。

 キャバリアーズは第3Q終了時点で14点をリードしていたが第4Qは大苦戦。ジリジリと点差を詰められ、土壇場で新人のOG・アヌノビー(20)に3点シュートを決められてスコアは103―103となった。

 しかしこの日38得点、6リバウンド、7アシストを稼いだジェームズがバックコートからボールを運んでそのアヌノビーとのマッチアップを制して決勝点。「最後は自分にできることをやったまで。ガッツでもぎとった勝利だ」と語ったジェームズは記録席によじ登って雄叫びを挙げた。

 ジェームズはペイサーズとの1回戦の第5戦でも3点シュートによるブザービーターを決めており、劇的決着の主人公となったのは今プレーオフで2度目。プレーオフでは通算11試合連続で得点とアシスト部門でチーム1位となっており、これは歴代最長記録となった。

 またプレーオフはこれが通算227試合目で、トニー・パーカー(スパーズ)を抜いて歴代5位に浮上。4位のカリーム・アブドゥルジャバー(元レイカーズほか)にはあと10試合にまで迫っている。

 キャバリアーズはケビン・ラブ(29)も21得点と16リバウンドを記録。ベテランのカイル・コーバー(37)は4本の3点シュートなどで18得点を稼ぎ、勝利が決まるとジェームズと抱き合って喜びを爆発させた。

 ラプターズは東地区の第1シードながら、プレーオフでのこのカードは通算9連敗。一昨年は地区決勝で2勝4敗、昨年は地区準決勝で4戦全敗で敗れているが、今季は上位シードにもかかわらず、三たび窮地に追い込まれた。

 ガードのカイル・ラウリー(32)は4本の3点シュートなどで27得点、“レブロン・ストッパー”となったアヌノビーも18得点をマークして第4Qは38―26と優勢だったが、最後はジェームズの個人技にやられた形。ドウェイン・ケイシー監督(61)は精彩を欠いた得点リーダーのデマー・デローザン(28)を第4Qにベンチに置いたままの布陣で戦ったが、その奇策も功を奏さなかった。

 今季チーム1位の23・0得点を記録していたデローザンは28分の出場で今ポストシーズン自己最少の8得点のみ。フィールドゴール(FG)は12本中9本を外しており、7日(日本時間8日)の第4戦で2年連続のスイープ敗退を免れるには、チームリーダーの奮起が不可欠になるだろう。

 なおNBAのプレーオフで0勝3敗となったケースは過去129回あるがシリーズを4勝3敗で逆転したチームは皆無。ラプターズは“V率0%”という崖っ縁に追い込まれた。

 <チーム記録>

 ▼FG成功率=キャバリアーズ(48・1%)、ラプターズ(46・7%)

 ▼3点シュート成功率=キャバリアーズ(36・0%)、ラプターズ(39・4%)

 ▼FT成功率=キャバリアーズ(80・0%)、ラプターズ(80・0%)

 ▼リバウンド=キャバリアーズ(36)、ラプターズ(41)

 ▼アシスト=キャバリアーズ(18)、ラプターズ(14)

 ▼ターンオーバー=キャバリアーズ(12)、ラプターズ(17)

 ▼速攻ポイント=キャバリアーズ(2)、ラプターズ(9)

 ▼ペイント内ポイント=キャバリアーズ(48)、ラプターズ(42)

 ▼ベンチスコア=キャバリアーズ(16)、ラプターズ(32)

 <個人記録>

 ▼チーム最多得点=ジェームズ(キャバリアーズ=38)、ラウリー(ラプターズ=27)

 ▼チーム最多リバウンド=ラブ(キャバリアーズ=16)、バランチューナス(ラプターズ=11)

 ▼チーム最多アシスト=ジェームズ(キャバリアーズ=7)、ラウリー(ラプターズ=7)

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