平昌パラ開幕 村岡、堂々旗手役 メダル1号へ「ベストパフォーマンスを」

[ 2018年3月10日 05:30 ]

平昌パラリンピック開会式  ( 2018年3月9日 )

 平昌冬季パラリンピックの開会式で、日本選手団の旗手を務め手を振りながら入場行進する村岡桃佳選手(手前)
Photo By 共同

 平昌パラリンピックの開会式が9日、平昌オリンピックスタジアムで行われ、14年ソチ大会の6個を上回るメダル獲得を目指す日本選手団は33番目に登場。アルペンスキー女子の村岡桃佳(21=早大)を旗手に選手31人、スタッフ37人の計68人が堂々と行進した。10日から競技がスタート。初日はアルペンスキー滑降が行われ、村岡のほか、男子座位で2連覇を狙う狩野亮(31=マルハン)らも登場し、メダルラッシュを狙う。

 日が暮れて冷え込みが一気に増した平昌オリンピックスタジアム。日の丸の下、村岡が選手団を先導した。「日本が強いんだというところを見せたい。私の背中が何倍も何十倍も大きく見えるようにしたい」という宣言通り、自信あふれる旗手ぶりだった。

 「4年前なら絶対にありえなかったこと。旗手という話をもらえるくらいの選手になったことが、うれしかった」

 緊張しがちな性格だが、今大会のプレッシャー解消法が、旗手として開会式に参加することだった。翌日にレースを控えて、緊張しながら部屋で過ごすことが嫌だったといい「レースのことから気持ちをいったんリセットさせるためにも、ぜひ引き受けさせていただけたらと思った」と笑った。

 15年4月、パラアスリートとして初めて早大の「トップアスリート入試」で入学。村岡のために約600万円の費用で改修した寮で生活し、体育会スキー部で汗を流す。同じスキー部には14年ソチ五輪ジャンプ代表の山田優梨菜もおり「サボりたいなと思って寮に帰ってきても(山田が)いないと走りに行っている。私もやろうと思います」と刺激を受けている。

 17歳で初出場したソチ大会では、大回転で5位に入賞。ドクターストップがかかっていた体幹トレーニングも大学入学後は解禁し、トップへの道を歩み始めた。「安定性が増してきた」と成果も実感している。きょう10日には最初の種目、滑降に出場。メダル獲得を視野に入れる。「天候の影響で公式練習の変更もあるが、臨機応変に対応して、ベストパフォーマンスを発揮したい」と意気込んでいる。

 ◆村岡桃佳(むらおか・ももか)1997年(平9)3月3日生まれ、埼玉県深谷市出身の21歳。4歳の時に脊髄炎を患い、両下肢機能全廃の障がいを負った。スキーは9歳から始め、中学2年から本格的に競技としてのパラアルペンスキーを開始した。得意種目は大回転。早大スポーツ科学部3年在学中。

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