【箱根に駆ける】順大・塩尻和也 世界を知る男、2区区間賞へ三度目の正直

[ 2017年12月29日 09:30 ]

腕で「J」の文字を作る順大・塩尻
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 運動神経に自信はなくても、走れば誰より速い。リオ五輪3000メートル障害代表の順大・塩尻和也(3年)が三度目の正直を果たす。

 1年時からエース区間の2区を任されたが、前回、前々回といずれも5位に終わった。前回は15キロ地点までトップタイムで快走も、残り5キロで失速した。「納得がいかず悔いが残った。当然、前回以上の結果を目指したい」。3年連続で2区を担う見込みの今回、区間賞を目標に掲げた。

 温厚でおっとりした性格だが、走るとひょう変する。序盤から果敢に飛ばす走りが強みで「走っているところを写真とかで見ると、あまり自分には見えない。普段はガツガツといったような感じでもないので」。レースになるとスイッチが入るのは、陸上を本格的に始めた高校時代から。走る姿しか見たことがない人は、実際会うとそのギャップに驚くという。

 普段はインドア派でお気に入りのバラエティー番組は「アメトーーク」。最近では運動神経が悪い芸人らがさまざまな競技に挑戦する人気企画にはまった。自身も陸上以外のスポーツは不得意で「(自分と重なり)たまに笑えなかったりします。球技とか苦手」と頭をかいた。

 大会直前に追加で代表入りが決まった昨夏のリオ五輪は予選敗退。世界との差を痛感したものの「また戻ってきたい。一回経験したことで、世界の舞台をより意識するようになった」と視野が広がった。今年は5000、1万メートルのトラック競技に重点を置き、走力のベースアップを図った。11月には1万メートルで学生歴代4位の27分47秒87をマークし、今季の学生最速となった。経験値も自己ベストも大きく更新した今、チームを勢いづける2区区間賞で、名門を11年ぶりの往路優勝に導く。

 ◆塩尻 和也(しおじり・かずや)1996年(平8)11月8日、群馬県伊勢崎市生まれの21歳。陸上部がなかった中学時代はソフトテニス部に所属。伊勢崎清明高出身。好物は焼き肉で特にカルビが好き。チーム内での担当は「どちらかといえばツッコミ」。1メートル70、53キロ。

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2017年12月29日のニュース