【黒岩敏幸の目】小平、不利なアウトスタートでの勝利を自信に

[ 2017年12月29日 07:30 ]

スピードスケート平昌五輪代表選考競技会第2日 ( 2017年12月28日    長野市・エムウエーブ )

女子1000メートルで同走の高木美(左)との直接対決を制し優勝した小平
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 小平にとってアウトスタートでライバルの高木に勝ったということはとても大きな意味があると思う。1000メートルはインスタートが有利。アウトスタートだと体力的に一番きつい600メートルすぎに内側の急カーブを回らなくてはならず、そこで失速する選手が多いからだ。しかし小平は失速するどころか、スピードに乗った滑りで見事にきついカーブを乗り切った。それを見て私は「もし五輪でアウトスタートになっても大丈夫」と確信したし、本人も大きな自信になったに違いない。

 しかもまだ伸びしろはある。小平の上がりの1周は29秒52。200〜600メートルは27秒18なので、このラップ差を2秒以内に抑えればさらにタイムは縮まる。高木はラップ差が1秒台なので小平にも十分可能なはずだ。

 高木も800メートルすぎの最後のカーブではやっぱり強いなと改めて感じさせられた。世界のトップ2人が切磋琢磨(せっさたくま)し合う相乗効果は大きく、平昌でも素晴らしい結果が期待できそうだ。(92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2017年12月29日のニュース