遠藤獲った!稀勢から初金星、通算3個目「攻めることだけ考えた」

[ 2017年5月18日 05:30 ]

大相撲夏場所4日目 ( 2017年5月17日    両国国技館 )

稀勢の里(右)を押し出しで破る遠藤
Photo By 共同

 平幕・遠藤が稀勢の里を押し出しで破り、通算3個目の金星を挙げた。2敗目の稀勢の里は、横綱2場所目で初めて金星を配給。大関獲りの関脇・高安は御嶽海との全勝対決を制し、白鵬、日馬富士の両横綱とともに4連勝とした。横綱・鶴竜は嘉風に押し出されて3敗目を喫した。

 稀勢の里から初金星をゲットしたのは、絵になる男だった。遠藤が稀勢の里を押し出すと、場内はため息と歓声が交じり合った。座布団が舞わないきれいな土俵が“こいつなら”という空気を物語っていた。

 「よかったです。勝った!と、もしかしたら向こうが思っていたかもしれない。前に攻めることだけ考えていました」

 ピンチがチャンスになった。突き放して攻めたが、押したところで右足を後ろに滑らせた。ところが、手がつきそうなほど低くなった姿勢が幸いする。体勢を立て直そうとして伸ばした手が、はたこうとした稀勢の里の懐に入った。「目の前に横綱の体があった」。下から突き上げる形でタイミングよく突いて押しきった。

 狙っていた。今をときめく横綱に平幕力士11度目挑戦で初勝利。「そこは少しちょっと意識していたというか。チャンスかなと思っていました」。普段から相手によって意識を変えないことを信条としている遠藤だが、この一番は違った。鶴竜から初金星を挙げたのが14年夏場所。13年春場所の初土俵から8場所目は、史上3位(当時2位)のスピード記録だった。16年九州場所の白鵬戦以来となる3つ目の金星だ。

 今度こそ三役の座をつかむ。今場所は3度目となる前頭筆頭。過去2度はいずれも14年で、春場所、秋場所ともに負け越した。同年の九州場所で左足首を負傷。慢性化して、16年春場所には十両に陥落した。今場所前にも稽古で左足首を痛めたが、2勝2敗と星を五分に戻す大きな1勝をつかんだ。

 5日目は同じ90年生まれで、大関獲りへ全勝の高安戦。「最後まで自分の相撲を取りきりたい」。この日は懸賞47本を受け取っても平然としていた。勝ち越すまでは笑顔を封印する。

 ▼八角理事長(元横綱・北勝海)運もあった。こういうときに乗っていかないといけない。

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2017年5月18日のニュース