【復刻版】真央、笑顔戻った 金ヨナ超え“世界最高”

[ 2017年4月11日 12:21 ]

浅田真央引退 復刻1面特集(2007年12月28日付)

浅田真央引退 復刻1面特集(2007年12月28日付)
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 【全日本選手権第2日(2007年12月27日 大阪・なみはやドーム)】女子ショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(17=中京大中京高)が72・92点で首位に立った。今季SPで苦手にしていた3回転フリップ―3回転ループのコンビネーションジャンプを決め、金ヨナ(17=韓国)の71・95点を上回る“世界最高得点”をマーク。きょう28日のフリーで連覇を狙う。安藤美姫(20=トヨタ自動車)は68・68点で2位につけた。

 ジャンプの天才は苦しんでいた。SP冒頭の3回転フリップ―3回転ループ。今季、フリーでは跳べても、SPでは成功していなかった。マイナス思考に陥り、「何かを変えないといけない」と言うほど追い込まれていたが、浅田が変化を求めたのは技術面ではなかった。嫌なイメージに別れを告げるため、母・匡子さんと相談して“外見”を変えた。

 この日、身にまとった白地に薄紫の衣装は約60万円をかけて姉・舞のために作られたもの。「気持ちを衣装で入れ替えるのは初めて。自分が変わったって分かるものがよかった。舞から取り上げた?そうです」。17歳はいたずらっぽく笑った。高さのあるフリップに、回転鋭いループをつなげ、今季5試合目で初めて苦手のコンビネーションを決めれば、あとは「バイオリンと管弦楽のためのファンタジア」の音色に身を委ねるだけ。技術点はもちろん、表現力などの演技点でも高得点をマークした。

 アクシデントもはね返した。GPファイナル(14〜17日)で2位に入り、トリノから拠点の米ロサンゼルスに移動した際、スケート靴が入った荷物がロストバゲージの被害に。荷物が手元に届くまでの3日間は氷上での練習ができず、一時は欠場も考えた。大会直前に荷物は戻ったものの、靴はかつて使ったものを再び履くしかなかった。それでも、そんな言い訳は一切口にせず、最高の演技を見せた。

 GPファイナル2位で来年3月のイエーテボリ世界選手権代表は決定的だが、モチベーションに陰りはない。「大きな大会で連覇したことがないんで、したい。でも、そのことは忘れて一から集中して1つ1つ技を決めていきたい」。昨年の全日本ではSP71・14点、フリー140・62点で、世界初の200点超えを果たした。再び大台を突破すれば、自身初の主要大会2連覇も自然とついてくる。 (杉本 亮輔)

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2017年4月11日のニュース