「人を育む」理念掲げる青木新会長 選手たちの意識向上にも期待

[ 2016年3月16日 08:55 ]

会長の席に座り「人を育む」という決意を色紙に書き込んだ青木会長

 ゴルフ界のレジェンド青木功(73=フリー)が3月4日に日本ゴルフツアー機構(JGTO)の新会長に就任した。会見の冒頭、青木会長は「なかなかこういうあいさつというのは難しいですねえ」と笑いを誘ったが「私に託されたものはさぞかし重いんだろうなと思っています」という言葉からは使命感がひしひしと伝わってきた。

 会見では「JGTO取り組み方針」と題したA4版2枚の冊子を配布した。その中で「人を育む」という理念を掲げて、選手に対する要望として3項目を挙げている。

(1)プレーヤーである前に、人として人の模範となるべし

(2)ルールブックの第1章はエチケットから始まることも踏まえ、技量のみならずエチケット・マナーを順守する精神を徹底しゴルファーの規範となるべし

(3)未来のプロゴルファーやゴルファーを目指す少年・少女の憧れとなるような、プレーヤーとしての振る舞いを、トーナメント会場でも会場外でも心がけるべし

 青木会長に課せられている課題は新規スポンサーの獲得、そして女子ツアー(38試合)に大きく水をあけられている試合数(男子は今季27試合)を増やすことだ。自ら営業に回る覚悟だ。スポンサーに喜ばれるようにプロアマも改革する。ただ試合数が増えたとしても、選手に魅力がなければ元に戻ってしまう。

 だからゴルフさえうまければ良いという考えは捨てるべきであり、会場はもちろんコース外でもプロゴルファーであることを意識して行動すべきだと訴えているのだ。

 「人を育む」という理念は青木会長の危機感の表れだと言える。トップが代わっただけで何もかもがうまくいくわけではない。人任せではいけない。男子プロゴルファー1人1人の意識が問われている。 (福永 稔彦)

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