杉山愛さんが全豪オープンを展望…錦織、躍進の鍵は“バランス”

[ 2016年1月18日 06:33 ]

杉山愛さん

 テニスの4大大会今季初戦、全豪オープンは18日にオーストラリア・メルボルンパークで開幕する。男子シングルスで世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)はフィリップ・コールシュライバー(32=ドイツ)との初戦に臨む。開幕を前に、大会を連日生中継するWOWOWのスペシャルコメンテーターを務める元プロテニス選手の杉山愛さん(40)が展望を語った。

 杉山さんは今大会を錦織の「新たなチャレンジの始まり」と位置づけた。昨季はベスト8止まりだった錦織だが、その後も世界ランクはトップ8を維持してシーズンを終えた。上位にいる自分に慣れ、上位で戦うことにも慣れた。足場固めは終わり、今季はさらに階段を上がっていくシーズンになるというわけだ。

 今大会で期待する成績は「昨年を上回るベスト4」。順当に行けば準々決勝で世界1位のジョコビッチ(セルビア)が待ち構える厳しい組み合わせだが、高い壁を乗り越えての優勝にこそ価値があるという。「ビッグ4を破って4大大会に勝ってもらいたい。今の力のあるジョコビッチに勝って優勝してほしい。日本のファンにもそういう気持ちはあると思う」

 気掛かりなのは初戦敗退した全米オープンなど昨季後半戦の不振を払しょくできているか。杉山さんは「彼は体格やパワーで互角に戦ってきたわけじゃない。精神的なものも含めたバランスが崩れて失速につながった」と見ている。強みである反射的なスピード、リズムの良さ、多彩なショットを生かすためには心技体のバランスが不可欠。「彼と彼のチームが力を合わせて前向きに進んでいけるか」と指摘した。

 12年に初めてベスト8に入り、4大大会で最多の16勝(6敗)と全豪が最も相性がいいのは間違いない。「その年によって速さが違うが、プレクシクッション(全豪で使用されているハードコート)は錦織選手が好きなサーフェスだと思う」。コートも運も全てを味方につければ4大大会初制覇も見えてくるはずだ。

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