萩野 骨折右肘患部に腫れ…日本学生選手権欠場 復帰最悪来年も

[ 2015年9月4日 05:46 ]

日本学生選手権を欠場し、実戦復帰の先送りが決まった萩野公介

 競泳の萩野公介(21=東洋大)が4日開幕の日本学生選手権(静岡・浜松)の欠場を決めた。6月末に合宿地のフランスで右肘を骨折し、世界選手権出場を回避。今大会で復帰する予定だったが、2週間前の練習で患部に腫れが出て出場を取りやめた。11日開幕の和歌山国体も欠場し、10月末のW杯(東京)も厳しい状況。最悪の場合、レース復帰は来年に持ち越しとなる。

 違和感があったのは2週前。試合に向け練習のペースを上げると、右肘に痛みが走った。その後、萩野は軽めの調整を続けたが、先月27日に医師の診察を受けて欠場を決断。東洋大の平井伯昌監督によると、骨はくっついたが、完治していない中で練習を始めたため、患部に痛みが出たり水がたまったりするという。平井監督は「全治2カ月でぎりぎり間に合うと思ったが、途中で頑張り過ぎた」と残念がった。

 リオ五輪への強化プランも狂った。来週の和歌山国体について、平井氏は「こちら(学生選手権)に出なくて国体に出るとかはあり得ない」と欠場を表明。今月末にもギアを上げて泳ぎ込める見通しだが「10月に高地合宿に行く予定だったが、それはやめにした」と海外合宿も白紙となった。復帰初戦については「全く考えていません」と不透明な状況で、10月末のW杯を欠場した場合、年内は試合がないため復帰レースが来年まで大幅にずれ込む可能性もある。

 ただ、医師の診断では、痛み止めの注射を打てば出場も可能という。精神的成長も期待されているだけに、平井監督の言葉も厳しい。「昔だったら(骨が)折れてでも出ろと言われるところ。現代ではそうもいかない」と言い「北島なら飛び込んで肉離れしても200メートル泳いでしまう」と続けた。今大会は東洋大の看板も背負っていただけに「自分がいなければ駄目なんだ、と思うか思わないか」と闘志を求めた。

 昨年末に右肩を故障し、今年4月の世界選手権選考会は自己ベストを更新できず不発に終わった。5月のジャパンオープン前には体調を崩して記録が伸びず、6月の欧州遠征で骨折。リオへのスタート台だった今大会もケガで欠場するなど不運が続く。夢舞台まで残り1年を切る中、マネジャーとして萩野を帯同した平井氏は「客観的になることが今の彼に必要」とエースに言葉を贈った。

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2015年9月4日のニュース