新国立デザイン撤回、違約金なし 国際コンペやり直し

[ 2015年7月17日 20:14 ]

 新国立競技場の建設計画見直しで、建築家ザハ・ハディド氏のデザインは白紙撤回された。文部科学省は、ハディド氏側にはデザイン監修料の一部として2014年度までに13億円を支払い済みで、契約解除時に違約金を支払う条項は設けていないとしている。

 ただ、「名誉を傷つけられたなどとして損害賠償を請求される可能性はある」と政府関係者は説明する。菅義偉官房長官は記者会見で、賠償などに「適切に対応する」と述べた。

 政府は国際コンペをやり直す方針だが、これは世界貿易機関(WTO)の政府調達協定で透明性のルールが定められているためだ。国や自治体が一定額以上の物品やサービスを調達する場合、国内外の事業者に公平な条件で入札(国際コンペ)を行う必要がある。

 政府関係者は「いったん決めた調達先を見直す場合も、入札抜きの随意契約で決めることは原則として認められない」としている。今回も日本人建築家のデザインを政府が勝手に選ぶことはできない。

 計画見直しは施工予定業者にも影響を及ぼす。屋根部分は竹中工務店が、スタンド部分などは大成建設が請け負うことになっていたが、両社は17日、「計画自体について答える立場にない」などとコメントを避けた。

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2015年7月17日のニュース