Jrファイナル王者宇野が3位!17歳時羽生上回る85・53点

[ 2014年12月27日 05:30 ]

ショートプログラムでの演技を終えた宇野は観客の歓声に応える

フィギュアスケート全日本選手権第1日 男子SP

(12月26日 長野市ビッグハット)
 最後のスピンは回転スピードが上がるにつれ、観衆の拍手も大きくなった。そしてフィニッシュとともに大歓声。17歳の宇野が85・53点で3位につけた。これは、羽生が17歳で出た11年の74・32点(4位)を大きく上回る。17歳時点で比較すれば、後に金メダリストになるトップスケーターをしのぐ好演技だった。

 「50点ぐらい。ジャンプは何とか決めたという感じ、他の面で心残りがある。そう考えると、50点ぐらいです」

 大きなミスがない演技をしながら、自己採点は厳しい。最初の3回転半ジャンプが減点され「ちゃんと動いていなかった」と不満が残ったからだ。ジャンプ以外でも「表現しきれないところが多くあった」と納得がいかない。ただし、ジュニアのSPでは規定でできない4回転ジャンプに成功。この点は「自信になるし、決められてうれしい」と数少ない評価ポイントになった。

 理想が高いのは当然だ。2週間前のジュニアGPファイナル(バルセロナ)で優勝した将来のエース候補。しかも、ジュニア世界歴代最高の238・27点をマークしての栄冠だった。浅田真央ら名スケーターを輩出する名古屋市出身。17日に誕生日を迎えた17歳は、1メートル58の小さな体に大きな可能性を秘めている。

 表彰台に上がれば、ジュニアながら世界選手権出場にも名乗りを上げることになる。だが、17歳の気鋭は冷静に自己分析して色気を見せない。「ここから先は落ちるだけなんで」。まずは27日のフリーに全力投球。「全てを出し切って、感動したと言ってもらえる演技をしたい」。自己採点の満点を求めていく。

 ◆宇野 昌磨(うの・しょうま)1997年(平9)12月17日、名古屋市出身の17歳。3歳でスケートを始め、09年全日本ノービス選手権で優勝。今季は全日本ジュニア選手権、ジュニアGPファイナルを制覇するなど躍進した。趣味はテニスとゴルフ。中京大中京高2年。1メートル58、48キロ。

 ▽世界選手権代表選考 出場枠は男女とも3。全日本選手権の優勝者は自動的に代表に決まる。2人目は全日本の2、3位、GPファイナルの上位2人(男子は羽生と無良、ただし羽生が全日本優勝の場合は無良と町田、女子は本郷)の中から選考。3人目の選考対象には全日本の4~6位、世界ランキングの日本勢上位3人(男子は羽生、町田、無良、女子は宮原、村上、今井)、今季最高得点の日本勢上位3人(男子は羽生、町田、無良、女子は宮原、本郷、村上)が加わる。

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