限界見せない葛西選手 ジャンプ界の意識に変化

[ 2014年11月30日 16:18 ]

W杯ジャンプ個人第3戦で優勝した葛西はガッツポーズ(AP)

 【ルカ(フィンランド)共同】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子で42歳5カ月の葛西紀明選手(土屋ホーム)が29日、フィンランドのルカで行われた個人第3戦を制し、自身の史上最年長優勝記録を更新した。限界を見せないベテランの存在で、ジャンプ界全体の意識も変わりつつある。

 1989年から海外で飛び続ける葛西選手は欧州で「レジェンド(伝説)」と呼ばれ、絶大な人気を集める。フィンランドでも地元選手に劣らない声援が送られ、33歳のシモン・アマン選手(スイス)と同点優勝が決まると「ノリ、スーパー」とたたえられた。

 不惑を過ぎた選手が10代、20代の若手を圧倒する姿はファンを熱狂させ、同じ場で戦うライバルたちを勇気づける。近年は37歳のヤンネ・アホネン選手(フィンランド)が現役に復帰し、これまでなら引退していたような年代で競技を続けるケースが増えている。

 国際スキー連盟(FIS)でジャンプ競技を統括するワルター・ホファー氏は「カサイのおかげで、選手たちはより長く競技を続けられると実感できる」と評価した。葛西選手は「僕が続ける限り、みんなはそれを目標に頑張ってくれると思う。ジャンパーの競技人生が長くなっていくんじゃないかな」と自らが周囲に与える影響を喜んだ。(共同)

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2014年11月30日のニュース