一度は死んだ身…平本「68」首位浮上!大逆転初シードだ

[ 2014年11月30日 05:30 ]

10番、バンカーショットを放つ平本穏

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン第3日

(11月29日 高知県安芸郡 Kochi黒潮カントリークラブ=7315ヤード、パー72)
 プロ8年目の平本穏(やすき、28=アイディオー)が68を出し、通算11アンダーで首位に浮上した。賞金ランク100位と低迷している上に、来季の出場権をかけて争われる予選会も3次で失敗。大逆転のシード入りどころか、初優勝も狙える位置で最終日に挑む。小平智(25=Admiral)、今平周吾(22=フリー)も首位に並んだ。
【第3R成績】

 後のない男は開き直った時、強くなる。賞金ランクは100位に低迷。来季の出場権をかけた予選会も3次で失敗した。自身の境遇を「一度、死んだ身」と表現した平本が首位に浮上した。「ゴルフの神様がくれたチャンス。スコアを気にしないのが結果につながっている」。4番で3メートル、5番で1メートルのバーディーチャンスにつけるなど上々のショットに加え、10番パー5では第3打がピンに当たって20センチにつく運も味方にした。3日連続の60台で首位に立った。

 実はこの場にいないはずだった。今大会には繰り上げ出場を現地で待つウエーティングの立場だったが、失敗した3次予選会が終わったのは21日。気力が湧かず現地入りをやめるつもりで24日は好きな釣りへ逃げた。だが、1匹も釣れず「ゴルフもダメ、魚も釣れない」とどん底。そんな時、知人のキャディーに「最後のチャンスなんだから」と誘われ、気力を振り絞り25日に現地に入ると、開幕前日の26日に出場権という釣果があった。

 6位に入れば初の賞金シードが見込め、優勝すれば翌年から2年間のシードが与えられる。「できることしかできない。人は人、自分は自分」と言い聞かす。魚には逃げられても、今度の大物こそ必ず釣り上げる。

 ◆平本 穏(ひらもと・やすき)1986年(昭61)5月11日、広島県出身の28歳。10歳でゴルフを始め、瀬戸内高から名古屋商大に進学。07年にプロ転向。過去最高は今年8月のダンロップ・スリクソン福島オープンの15位。家族は妻と長男。1メートル72、60キロ。

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