【仁川からの風】アジア大会 温かみある会場の応援

[ 2014年9月23日 08:33 ]

 深夜に部屋に戻り、テレビをつけると韓国語の絶叫が聞こえてきた。韓国と中国、そして日本の若きエースがぶつかった競泳男子のレースの録画放送だった。男女のアナウンサーが同時にまくし立てるスタイルは熱狂的な韓国らしいと思ったが、日々、目にする応援風景は人々の別の素顔も見せてくれる。

 日本選手団の青木剛団長は開会式後、「配慮のある温かみのある開会式だった」とコメントした。同感だ。例えば、重量挙げ女子の試合がそうだった。北朝鮮の選手には頑張れの声が飛び、懸命にバーベルを挙げる三宅宏実(いちご)への拍手も温かみがあった。

 何より、優勝争いを演じた台湾などの3選手に対する熱の入れようは自国の競泳のスター選手に対する声援と変わらなかった。1300人収容の手狭な会場だけに、そして全体的に空席の目立つ会場が多いだけに、余計にそう感じた。(田原和宏)

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2014年9月23日のニュース