嘉風 鶴竜から金星!上位キラー 3場所連続横綱斬り

[ 2014年9月23日 05:30 ]

ファンとの記念撮影に応じる嘉風

大相撲秋場所9日目

(9月22日 東京・両国国技館)
 平幕の嘉風が結びの一番で全勝の横綱・鶴竜を押し出し、先場所の日馬富士戦に続いて自身2個目の金星を獲得した。勝ち負けにこだわらず攻める相撲を貫き、ここまで2横綱2大関を破って6勝3敗。先々場所に32歳で新小結に昇進した遅咲き力士が上位キラーとして定着した。優勝争いは白鵬が単独トップに立ち、鶴竜と平幕の逸ノ城が1敗で追う展開となった。

 真っ向勝負という言葉がこれほど似合う男はいない。既に1横綱2大関を破っている嘉風は無敗の鶴竜に対しても攻めて攻めて攻めまくった。闘志に満ちたスピード感あふれる攻撃で、横綱も及び腰になる。中途半端な引き技を出してきたところを勝機と見るや、一気に前に出て押し切った。

 先場所の日馬富士戦に続く2個目の金星を獲得し「力士をやってて良かった。相撲が終わってからもう一回アドレナリンが出る感じ。分からないでしょうねえ」。4日目の日馬富士戦はまげをつかまれての反則勝ちとあって、自らの実力で座布団を舞わせた6勝目は喜びもひとしおだった。

 新小結だった先々場所にも日馬富士に勝っており、横綱戦勝利は3場所連続。上位キラーとして定着した。その要因について「勝ちたい気持ちを殺して自分らしさを出している」と説明。きっかけは昨年九州場所8日目の旭日松戦だ。消極的な相撲で敗れ、観戦に駆けつけた母ムツヨさんが地元応援者に謝罪する姿を目撃。母からは「勝ち負けを見にきてるわけじゃない」と言われ、胸に響いた。以来「いかに存在感をアピールできるか」を重視するようになれた。

 10日目は新入幕ながら1敗の逸ノ城戦。「あしたはまさか、怪物ですか?」。既に対戦することを知っていながらニヤリと笑ったその姿には自信しかみなぎっていなかった。

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