王さん 組織委に直訴 東京五輪で野球&ソフト復活を!

[ 2014年6月6日 05:30 ]

ソフトバンク球団の王会長

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長(64)が5日、東京都庁内の2020年東京五輪パラリンピック組織委員会を訪れ、森喜朗会長(76)に五輪実施競技復帰への協力を直訴した。野球界を代表して王貞治氏(74=ソフトバンク球団会長)、ソフトボール界から宇津木妙子氏(61=国際ソフトボール連盟副会長)らも同席し、団結をアピール。森会長も国内の野球人気を口にし、復帰を歓迎する意向を示した。

 電撃訪問を終えたフラッカリ会長は満足そうな表情を浮かべた。東京五輪での競技復帰の勝算を聞かれると「期待している」と、2度繰り返した。森会長と約20分間、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和(つねかず)会長とは約15分間会談し、復帰に向けた熱弁を振るった。

 フラッカリ会長は「これ以上は話せない」と具体的な会談内容は伏せたが、東京五輪組織委員会の顧問に就任した王氏は「野球とソフトが一体となって思いを伝えた。我々の思いは伝わったと思います」と代弁した。

 森会長は同日に行われた組織委員会理事会後の会見で、フラッカリ会長に対し「野球は多くの日本の皆さんに愛されファンも多い。おそらくサッカーより多いでしょうね。そういう意味では、もし五輪種目になれば日本中の多くの方が喜んでくれる。大変な盛り上がりになる」と好意的な言葉を送ったと明かした。また、竹田会長も「(今後の)様子を見ないといけないが、一つの候補競技になることは間違いない」と断言した。

 野球・ソフト側は今回の会談に勝負を懸けた。王氏、宇津木氏をはじめ、プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー、全日本野球協会の八田英二会長、日本ソフトボール協会の徳田寛会長ら両競技のトップが同行。野球・ソフトの結束を証明するためフラッカリ会長が希望したという。他競技への配慮から訪問は非公開で行われた。会見もなく、声明を出すこともなかったが、効果は大きかった。

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、東京五輪での野球・ソフトの実施について「可能性はある。五輪は開催国の文化や社会を反映するべき」とし、実施競技は大会の7年前までに決定すると定める五輪憲章についても「合意があれば変更できる」と明言している。

 IOCは今月中に五輪改革に向けた提言「アジェンダ2020」をまとめ、12月のモナコの臨時総会で五輪憲章が定める夏季五輪の総競技数「28」の見直しを検討する見込み。一度は除外された野球・ソフトの五輪競技復帰が前に進んだ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年6月6日のニュース