桐生 9秒台で福島にエールを 日本選手権6日開幕

[ 2014年6月6日 05:30 ]

 今秋のアジア大会(韓国・仁川(インチョン))の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権は6日、福島県のとうほう・みんなのスタジアムで開幕。男子100メートルで日本初の9秒台の期待が懸かる桐生祥秀(18=東洋大)は、7日の予選に登場。5日は会場に姿を見せなかったが、特別な思いを抱いて11年3月の東日本大震災の被災地を駆ける。

 今大会の開催が決定したのは大震災後の12年2月。福島県陸協の片平俊夫会長(69)は「震災復興の思いを込めた大会。福島でいい記録が出て活躍してくれれば」と期待を込める。桐生は福島を訪れるのは初めてだが、昨年12月に宮城県女川町で陸上イベントに参加し、被災児童と汗を流した。「無邪気に走っている姿を見られて良かった」と振り返っている。

 日本陸連が定める派遣標準を突破している桐生は、8位以内でアジア大会の代表に決定。大舞台に続く100メートルに、希望と勇気のメッセージを込める。「もし自分が小学生や中学生だったら、速い選手を見て、自分もああなりたいって思う。自分がそうなれるよう、もっともっと頑張りたい」。日本初の9秒台が、復興も加速させる。

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2014年6月6日のニュース