愛 初の日本人女王、荻村杯14度目挑戦でついに制した

[ 2013年6月24日 06:00 ]

女子シングルスで初優勝し、コーチ(左)と抱き合って喜ぶ福原

卓球荻村杯ジャパン・オープン最終日

(6月23日 横浜文化体育館)
 女子シングルス決勝で世界ランク15位の福原愛(24=ANA)が48位の文ヒョンジュン(韓国)を4―0のストレートで下し、89年に始まった大会で初の日本人女王となった。男子シングルスは予選から勝ち上がった塩野真人(27=東京アート)が徐晨皓(中国)に4―0で勝ち初優勝。日本対決となった同ダブルスは上田仁(21=青森大)、吉村真晴(19=愛知工大)が松平健太(22=早大)、丹羽孝希(18=明大)に3―1で勝利した。

 福原が新たな栄冠を手にした。11歳だった00年に初出場してから14回目。日本人初の女子シングルス覇者となり「小さいときから応援してくださった皆さんの前で優勝できてうれしい」と喜んだ。ワールドツアー優勝は09年6月のモロッコオープン以来4年ぶり2度目。今大会、日本女子として唯一最終日に勝ち進んだエースが、しっかり結果を残した。

 勝負どころで集中力が光った。2―0の第3ゲーム、9―8とリードした場面。張莉梓コーチが、ベンチコーチが声を出す違反をしたとして退場処分を受けた。福原は辺りを見回すしぐさを見せ、直後に2連続失点で9―10と逆転を許した。だが、苦手のフォアハンドで2連続得点を奪うと13―11と押し切った。「何でレッドカードをとられたのかなと思った。コーチがいなくなっても動揺せずプレーできたので成長できていると実感している」。張コーチも「3ゲーム目が勝負だった。良い経験になったと思う」と目を細めた。

 期待された5月の世界選手権では同種目でまさかの初戦敗退。反省を踏まえて苦手克服に取り組んだ。「練習量も増えた。フォアの攻めで威力を出すために体の使い方やフットワークなどを練習してきた」と張コーチ。この日は得意のバックハンドだけではなくフォアハンドでのカウンターが多く決まり、試合を支配。前日の試合でも苦手意識のある長いサーブに対応。フィジカルトレーニングに加えて栄養士と食生活から見直し「肘の手術から復帰するときよりも、この1カ月の期間は苦しい練習をしてきた」と練習の成果を強調した。

 次戦はアジア選手権(30日開幕、韓国・釜山)。「大きな自信を得ることができた。(次もあるので)気を引き締めたい」。勢いに乗った福原がアジアの頂点を目指す。

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