上村会長「改革めど立てば」10月にも辞任 初の女性理事に谷氏ら

[ 2013年6月24日 19:53 ]

全柔連の臨時理事会後、記者会見する上村春樹会長

 全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹会長は24日、東京都文京区の講道館で開いた臨時理事会後の記者会見で「(組織の)改革が軌道に乗ったら辞任する。10月の理事会が一つの大きなめどになる」と述べ、具体的な辞任時期を明らかにした。1月下旬に女子日本代表での暴力指導問題が表面化してから続く一連の不祥事の責任を取る形となる。佐藤宣践、藤田弘明両副会長、小野沢弘史専務理事、村上清事務局長も辞任する意向。

 上村会長は当面続投する理由を「投げ出せば非常に混乱する。次の世代にしっかり引き継ぎたい」と説明した。改革について「スピード感を持って4、5カ月でやってみせるしかない」と述べた。講道館館長を辞任する考えはない。

 臨時理事会では後任人事は協議されなかった。有力な後継候補とされ、8月に新設される常務理事会に入る山下泰裕理事は報道陣に「5年、10年をかけて、柔道界がもう一度、信頼をいただけるように力を入れていく。会長の在任中にいろいろな道筋をつけていきたい」と、再建への意欲を強くにじませた。

 上村会長は4月下旬、助成金不正受給を調べた第三者委員会に「順法精神の欠如」と批判されて辞任を示唆したが、直後に翻意した。全柔連はその後、第三者委に反論の書類を3度も送付。内閣府公益認定等委員会に出した報告書は「真摯さ」が足りないと酷評され、組織体質の改善を一層、強く求められた。

 改革の一環として臨時理事会で、女子48キロ級で2000年シドニー、04年アテネ五輪で金メダルを獲得し「ヤワラちゃん」の愛称で親しまれた参院議員の谷亮子氏ら3人を全柔連初の女性理事として起用し、参院議員の橋本聖子・日本スケート連盟会長らを外部理事とすることを決めた。

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