伊藤みき「成長感じた」2冠 上村愛子に35―0完勝

[ 2013年4月1日 06:00 ]

決勝でこぶを攻める伊藤みき。左奥は転倒し出遅れた上村愛子

フリースタイルスキー全日本選手権デュアルモーグル

(3月31日 富山県南砺市・たいらスキー場)
 女子は世界選手権銀メダルの伊藤みき(25=北野建設)が、30日のモーグルと合わせて09年以来の2冠に輝いた。予選を1位で通過すると、決勝戦では上村愛子(33=北野建設)との“新旧女王対決”に35―0で完勝。W杯初優勝など飛躍を遂げたソチ五輪のプレシーズンを最高の形で締めくくった。男子は西伸幸(27=白馬ク)が3年ぶり4度目の優勝を果たした。

 第1エアの後に転倒した上村をはるか後方に置き去りにした。伊藤は何度もガッツポーズを見せた。「1年前は胸を借りてる感じだった。今回は自分が予選も1位だったし成長を感じられた」

 直接対決は昨年のW杯苗場大会準決勝以来。その時に敗れた借りを返した。無心で戦えた準決勝までとは違い、実力を知るからこそ互いに意識した決勝戦。「こういう時に愛子さんはどう考えているんだろうと思って、吸い寄せられそうになった」が、今季の伊藤の充実ぶりが上村のミスを誘った。シーズン最後の試合は「強くて目標にしている」存在を破って最高の締めくくりとなった。

 3月の世界選手権はモーグル、デュアルともに2位。ソチ五輪ではメダルの有力候補だ。バンクーバー五輪とルールが変わり前年の世界選手権でメダルを獲っても五輪代表に内定することはない。それでも「世界選手権はそれだけで凄く価値がある。内定をもらうために出るなんてずるいこと。W杯で勝ちまくって代表を決めたい」と意に介さない。五輪代表は来年1月19日のW杯種目別ランク上位30人(各国最高4人)が条件になる。「よく寝て、よく食べて、頑張るぞっていう力をためたい」とまずはオフの間に金メダルへの英気を養う。

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