海老沼、中矢ら五輪確実に 女子の上野順、杉本らも

[ 2012年5月12日 15:51 ]

女子63キロ級で優勝し、笑顔を見せる上野順恵

 柔道のロンドン五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権第1日は12日、福岡国際センターで男女7階級を行い、男子66キロ級は昨年の世界選手権王者の22歳、海老沼匡(パーク24)が3連覇し、女子63キロ級は上野順恵(三井住友海上)が2年ぶりの頂点に立った。各階級とも第1シードの選手が制し、いずれも五輪代表入りを確実にした。

 海老沼は決勝で五輪代表争いのライバル、森下純平(筑波大)に一本勝ち。五輪で金メダルが期待される男子73キロ級は昨年の世界選手権を制した22歳の中矢力(ALSOK)が初優勝した。

 同60キロ級は北京五輪代表の平岡拓晃(了徳寺学園職)が5連覇。女子78キロ超級は杉本美香(コマツ)が4月の全日本女子選手権決勝で敗れた山部佳苗(山梨学院大)に雪辱して4年連続で優勝し、同78キロ級は緒方亜香里(筑波大)が、同70キロ級は田知本遥(東海大)がそれぞれ初めて制した。

 代表選考について女子の園田隆二監督は「コーチ会議でも異論は出なかった」、男子の篠原信一監督は「結果を見てもらえれば分かる」と話した。全日本柔道連盟は最終日の13日の競技終了後に開く強化委員会で五輪代表を決める。

 ▼中矢力の話 五輪が懸かっていたので、絶対に優勝するんだという気持ちだった。代表になったら五輪は1人で日本を背負って出ることになる。絶対に負けられない。

 ▼上野順恵の話 ほっとした。変にあがらず落ち着いてできた。試合をするうちに(代表になれなかった)4年前を思い出して何が何でも勝ちたい気持ちになった。すべてをかけて金メダルを取りたい。

 ▼杉本美香の話 決勝は全日本女子選手権で負けた相手だったのでここでリベンジするしかないと思っていた。泥くさくてもいいから勝ちにこだわった。次につなげられる。

 ▼平岡拓晃の話 4年前の北京五輪で負けてしまい、今まで本当にきつかった。やっと戻ることができる。これからは五輪に照準を合わせ、金メダルを取るために真剣に頑張る。

 ▼海老沼匡の話 五輪では強いプレッシャーがかかるので今日みたいな柔道ではなく、伸び伸びと元気のある柔道がしたい。自分の夢は五輪で金メダルだから、ここがスタートラインだ。

 ▼田知本遥の話 内容は良くなかったが、何が何でも勝ちたかった。敵は自分だと思って戦った。(五輪に)出るからには金メダルを狙う。

 ▼緒方亜香里の話 絶対にロンドンには私が出るという気持ちだった。勝ってほっとした。五輪では金メダルを取って、みんなで抱き合って喜びたい。

 ▼森下純平の話 相手が上でした。焦らずに五輪も特に意識はしないでいつも通りだった。勝負への詰めが甘かった。

 ▼篠原信一・日本男子監督の話 海老沼は代表になってやるんだという気迫で上回った。中矢にしても勝ったということが大きい。(代表選考は)結果を見てもらえれば分かる。秋本はけがで練習を積めておらず、負けたのは残念だ。

 ▼園田隆二・日本女子監督の話 (代表選考は)結果の通りで、コーチ会議でも異論は出なかった。杉本は何が何でも勝ちたいという意地が出た。ああいう泥臭い柔道もできる。田知本遥は力をつけている。初優勝を評価したい。

 ▼吉村和郎強化委員長の話 五輪代表がかかっているプレッシャーはあるんだろうけど、もう少し思いきりいかないといけない。まだまだ甘い。

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2012年5月12日のニュース