深堀、左足手術乗り越え3差2位!今季初の予選通過

[ 2012年5月12日 06:00 ]

1番ティーショットを放つ深堀

男子ゴルフツアー 日本プロ選手権日清カップヌードル杯第2日

(5月11日 栃木県那須烏山市 烏山城カントリークラブ(7193ヤード、パー72))
 第1ラウンドの残りと第2ラウンドが行われ、ノーボギーの66で回った深堀圭一郎(43=フォーラムエンジニアリング)が3打差の2位に浮上した。今季は賞金シードがなく、1回限りの「生涯獲得賞金25位以内」の資格で出場中。ショットとパットがかみ合って優勝も狙える位置で今季初の予選通過を果たした。初日首位の谷口徹(44=フリー)が通算9アンダーで首位に立ち、石川遼(20=パナソニック)は通算3オーバーの72位で予選落ちとなった。

 心配しなくていいはずなのに心配になる。カットラインははるか後方。首位の谷口を猛追し、その背中を視界にとらえた。なのに深堀は予選突破のことばかり考えていた。「残り何ホールで何打余裕があるかばかり考えていた。3週も続くとどうしてもそこにフォーカスしてしまった」

 開幕からの3戦連続予選落ちは、全てがカットラインと1打差。妙な結果が続けば、不思議と意識も過剰になる。ノーボギーの66で無事にホールアウトすると、「やっと厄よけができました」とホッとした笑顔が浮かんだ。

 今季からキャロウェイと契約し、「7、8ヤード飛びすぎていた」というアイアンを今大会前に調整した。ロフト角を0・5度ずつ寝かせ、4~6Iはライ角をアップライトに。すると距離感がぴったりと合った。16番で5メートルのパーパット、18番では8メートルのバーディーパットを沈めるなど、今週から新しくしたパターも威力を発揮した。

 今季は“特別シード”で迎えた背水のシーズン。昨年2月には長年痛みを抱えてきた左足の手術を受け、母指球にできていた余分な骨を削り取った。昨季は回復を最優先して特別シードも温存。ホテルの部屋では100円ショップで買ったビー玉を足でつかんで右から左に移したりと、感覚を取り戻すために地道なリハビリに取り組んできた。

 「基本的にもう不安はない」と満を持してツアーに本格復帰したが、足以外にもう一つリハビリが必要なのが心だという。「ケガで心が弱くなっちゃった。温厚になっている自分をいかに戦う気持ちにもっていくか。それが今年のテーマ」。もう予選落ちを気にする必要もなく上位で戦える。メジャーの優勝争いで放つ一打ほど、心を鍛えられるものはないはずだ。

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2012年5月12日のニュース