日馬富士、秋場所準Vでも“異例”の横綱昇進?

[ 2011年7月26日 06:00 ]

名古屋場所で優勝した日馬富士

 横綱審議委員会(横審)の定例会合が25日、東京・両国国技館で行われ、名古屋場所で優勝した大関・日馬富士(27=伊勢ケ浜部屋)の秋場所(9月11日初日、両国国技館)での綱獲りについて、鶴田卓彦委員長は準優勝でも内容次第で昇進させたいとの私見を述べた。準優勝の場合は14勝以上が必要との条件を付けたが、90年の旭富士以降は2場所連続優勝が慣例になっていただけに“異例”の形で昇進が実現する可能性が出てきた。

 横審定例会合後の会見。鶴田卓彦委員長は日馬富士の綱獲りについて踏み込んだ発言をした。「優勝であれば、かなり綱獲りが濃厚。準優勝でも3つ、4つ負けたらちょっとね…。全勝がもっとも望ましいけど(準優勝でも)1敗が限界じゃないか」と今場所と同じ14勝以上を挙げれば、準優勝でも昇進する可能性があると述べた。

 横綱昇進を協議する横審の推薦内規では昇進の条件は「大関で2場所連続優勝かそれに準ずる成績」となっている。だが、87年に第60代横綱・双羽黒が優勝0回のまま廃業に追い込まれたことを機に難化。それ以前は準優勝以上の好成績を2場所連続で収めていれば昇進するケースもあったが、90年名古屋場所後に昇進した第63代の旭富士からは「2場所連続優勝」が絶対条件となった。しかし、朝青龍引退後に一人横綱となった白鵬の1強時代が続き、連続優勝は簡単ではなくなった。白鵬自身も名古屋場所中に昇進の条件について「緩めてもいいんじゃないか」と提案していた。

 鶴田委員長は白鵬のライバルとなる横綱の誕生について「(日馬富士には)大いに綱獲りに向かって意欲を持って目指してほしい。十分に力があって、品格もよろしいという相撲を取ってもらいたい」と期待。沢村田之助委員も「準優勝したら(横綱に)なるんじゃない」と賛同した。いずれにしても横綱昇進のためには数字だけでなく、それにふさわしい内容が求められることには変わりはないが“昇進条件緩和”の機運が高まっていることは確実だ。

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2011年7月26日のニュース