7連覇見えた!白鵬、ヤマ場クリアで“絶口調”

[ 2011年5月18日 06:00 ]

稀勢の里(右)を押し出しで破る白鵬

大相撲技量審査場所第10日

(5月17日 両国国技館)
 大相撲技量審査場所第10日は17日、両国国技館で行われ、横綱・白鵬が昨年11月の九州場所と今年1月の初場所で連敗した関脇・稀勢の里を押し出して、初日から10連勝を飾った。全勝だった新入幕の魁聖が敗れ、10日目にして無敗は白鵬ただ一人となった。難敵を下し、早くも朝青龍と並ぶ史上1位タイの7連覇が見えてきた。1敗は平幕の栃ノ心と魁聖の2人。2敗で把瑠都と琴奨菊が続いている。

 最大のヤマ場を越え、花道を引き揚げてきた白鵬は冗舌だった。連敗中だった“天敵”を下し「稀勢の里関もいい動きしていました。褒めるべきじゃないかな」と余裕たっぷり。不覚を取った昨年の九州場所、今年の初場所はいずれも14勝1敗で優勝しただけに「験のいい相手に勝っちゃいました。まあしようがない」と冗談交じり。魁聖が敗れ、早くも単独トップとなったことには「ついていきたかったんですけど。逆に今度は引っ張っていかないといけない」と自らを鼓舞。表情は安堵(あんど)感に満ちていた。

 9日目までの速攻相撲とは違い、慎重だった。立ち合いから小刻みな突っ張りを顔に受け土俵際まで押されたが「いい相撲を取るだけ」と冷静にうまく回り込んで、あとは押し出すだけだった。場所前に鳴戸部屋に乗り込んで、19勝2敗と叩きのめし苦手意識を払しょくした。稀勢の里への感情が「負けたくない」から「自分の方が強い」に変わった。確かな自信を持って土俵に臨んでいた。

 大横綱・双葉山は69連勝を達成した後の方が強かったと伝えられている。今、白鵬はその再現を目指している。63連勝が止まった昨年の九州場所の頃とは「違う自分がいる」と感じるのは、双葉山と自分を重ね合わせているから。「この地位は引きずらないことが大事」。八百長問題で春場所が中止となり、4カ月間のブランクがあったが、稀勢の里に負けた取組のビデオは見なかった。

 連続2桁勝利を26場所に伸ばし、大鵬を超えて単独2位となった。帰り際に歴代1位が北の湖の37場所だと伝えられると「凄いなあ」と遠くを見つめた。白鵬にとって技量審査場所での7連覇達成はやって当然。さらなる高みがあることに気づいたようだった。

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2011年5月18日のニュース