遼 予選突破いける!初のアンダーパー発進

[ 2011年4月9日 06:00 ]

第1ラウンド、2番、パーに抑えた石川遼

第75回マスターズ第1日

(4月7日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 3年連続出場の石川遼(19=パナソニック)がオーガスタで初めてのアンダーパーをマークした。4バーディー、3ボギーの71で、1アンダーの24位発進。ショットが乱れた後半も粘りを見せ、初の予選通過、そして目標とする優勝争いに向けて上々の位置につけた。アマチュアの松山英樹(19=東北福祉大)はイーブンパーの31位と健闘。初出場の藤田寛之(41=葛城GC)が2アンダーの14位と好スタートを切り、池田勇太(25=日清食品)は2オーバーの64位と出遅れた。

 スタートホールのティーグラウンドに立っても特別な高ぶりや緊張は感じなかった。それこそが石川がオーガスタで積み重ねてきた経験の成果だった。「これまでで一番リラックスして打てた」。思い切り振り抜いたドライバーショットは、320ヤード先のフェアウエーをとらえた。

 序盤は好調なショットで次々とチャンスをつくった。初バーディーは240ヤードの4番パー3。硬いグリーンに鋭く突き刺さるような会心のショットでピンの右1メートル強につけた。「あそこは3番アイアンを想定して、朝の練習場からティーアップして打っていた」とここでも経験が生きた。

 「今まではアマチュアの時にプロの試合に出てたような感じで、一歩下がって当たり障りのないゴルフをしていた。今年はみんなと一緒の位置でプレーできている」。11番では奥のカラーから6メートルをパターで沈めてパーを死守。その時、見せた特大のガッツポーズは無用な遠慮がなくなった証だった。ショットが乱れて「われながらひどいゴルフ」と振り返った終盤も、17、18番を何とか1パットのパーでしのぎ切った。3度目のマスターズで初めてアンダーパーをマークし、24位の好位置につけた。

 石川の左手のブレスレットには「HOPE」という文字が刻まれている。日本が震災に苦しむ中、海外メディアからもその意味を尋ねられた。実際はがん患者支援のために2年前からつけているものだが、苦しむ人々を支援したい気持ちの表れであることに変わりはない。

 ホールアウト後、日本時間7日深夜に震度6強の余震が東北地方を襲ったことを知らされた石川は「プレー中は知らなかった。ゴルフをやってる時はゴルフに集中できるけど、コースを離れると日本のことが心配になりますね。でも自分にできることはオーガスタでベストを尽くすこと。少しでもゴルフの力、スポーツの力を見せたい」と被災地の人々を思いやった。今季の賞金全額を義援金として寄付することを表明した石川にとって、より上位でプレーすることが被災者支援につながる。日本への思いを胸に目標の優勝争いを見据えた。

 ≪平均飛距離も…≫初日の部門別成績では、石川の平均飛距離は291・5ヤードで9位にランクインした。一方でフェアウエーキープ率は14ホール中6ホール(42・86%)で93位と精度に課題を残した。パーオン率は18ホール中11ホール(61・11%)で56位。平均パット数は1・56で16位だった。

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