隠蔽工作!?携帯「機種変更や破損」で提出されず…

[ 2011年2月8日 06:00 ]

・高木義明文部科学大臣に深々と頭を下げる放駒理事長(左)

大相撲・八百長問題

 大相撲の八百長問題で、日本相撲協会の放駒理事長(元大関・魁傑)が7日、監督官庁の文部科学省を訪問し、春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)の中止について謝罪した。文科省は問題の迅速な全容解明を求めたが、聴取対象の14人の調査は携帯電話の機種変更や破損などの理由で遅れていると報告されたことが分かった。力士らが“隠蔽(いんぺい)工作”を試みている可能性も否定できず、調査の長期化で夏場所(5月8日初日、両国国技館)以降の開催にも影響が出てきそうだ。

 八百長問題の早期解決を目指す相撲協会が新たな難題に直面した。放駒理事長はこの日、文科省を訪れ、高木義明文科相に対し、春場所の中止を決定した経緯を報告。「たびたび大変なご迷惑をおかけして、申し訳ございません」と謝罪した。その後、八百長への関与が疑われるとして特別調査委員会が聴取対象とした14人について説明したが、提出を求めた携帯電話については「機種変更や壊してしまった事例がある」と報告した。

 特別調査委は14人の調査に食い違いが多く見られたため、新たに携帯電話や預金通帳の提出(任意)を要求していた。ところが、一部の対象者は「初場所後に買い替えた」「妻に踏まれて携帯電話が壊れた」などと申告。それが原因で調査が遅れているという。

 文科省幹部は、八百長の関与を疑われる力士が意図的に携帯を壊した可能性があるかについて「そこまで聞いていない」と述べた。しかし、押収された携帯メールの中でも携帯の記録を削除することを確認するやりとりが残されていると言われており、今回も証拠隠滅の可能性が考えられる。

 放駒理事長は「(携帯電話の破損は)いつかは分からないが、野球賭博騒動の後に替えたものも多いという」と説明。6日の評議員会でも各師匠に「調査に協力するように」と通達したというが、思わぬ事態に表情も曇りがちだった。

 特別調査委による全関取70人に対する聴取は、8日に本格的に始まるが、力士らの非協力的な行動が増えれば長期化は必至。放駒理事長も「うみを出し切るまでは、土俵上で相撲をお見せすることはできない」と明言しているだけに、夏場所の開催にも影響が出ることは必至だ。

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2011年2月8日のニュース