長島&加藤“ライバル心メラメラ”ワンツー

[ 2010年10月31日 06:00 ]

<男子500メートル>優勝した長島圭一郎の2回目。右は2位の加藤条治

 スピードスケートの全日本距離別選手権第1日は30日、長野市エムウエーブで行われ、男子500メートルで、バンクーバー五輪のメダリスト2人がハイレベルな争いを繰り広げた。銀メダリストの長島圭一郎(28)が大会記録に並ぶ合計1分9秒87で2年ぶり3度目の優勝を飾り、銅メダリストの加藤条治(25=ともに日本電産サンキョー)は合計1分9秒91の2位に終わったが、2回目で34秒81の大会新をマークした。男子1500メートルでは山形中央高3年の小田卓朗(18)が1分50秒60で、高校生として大会初制覇した。

 バンクーバー五輪から8カ月。2人のメダリストが五輪後初レースで、いきなり火花を散らせた。
 まずは長島だ。1回目、得意のアウトスタートから、最終コーナーを果敢に攻めた。加藤が昨年出した大会記録を0秒05更新する34秒88に、ガッツポーズを繰り返した。「7~8割の力で、なめてる感じで滑った。思ったよりタイムが出てビックリした」と独特の表現で驚きを隠さなかった。
 すると0秒22差の2位だった加藤の負けん気に火がついた。「あんなに差をつけられたら、さすがにプライドが傷つく。リミッターを外しました」。長島と直接対決となった2回目。アウトスタートから猛烈な追い込みを見せ、最終コーナー出口付近で一度手をついたのもお構いなしに、ライバルを抜き去った。0秒18差をつける34秒81で、さらに大会記録を更新。ゴール後は「やったー」と雄叫びを上げた。そのタイムは長島の持つ国内最高に並ぶ快記録でもあった。
 500メートルは2本合計の勝負。最終的には大会記録の1分9秒87だった長島が加藤に100分の4秒競り勝った。長島は、直接対決で負けたことは気にしていないそぶりを見せ「五輪を意識して、2本まとめることを考えていたので、よかった」と胸を張った。
 今季の2人は約2カ月の長期充電期間を取り、例年より始動は遅れた。万全の準備をして臨んだわけではない。期待以上の好タイムに、2人を指導する今村監督も「短期間でいい調整をした。2人ともよくスケートを知っている」と舌を巻いた。バンクーバーでのメダル獲得の原動力となった強烈なライバル意識は健在。ソチ五輪で金メダル獲得を目指す2人が最高のスタートを切った。

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2010年10月31日のニュース