師匠ら謹慎 城ノ龍 野球賭博問題が昇進後押し

[ 2010年7月28日 12:48 ]

 モンゴル出身の城ノ龍にとっては、何とも複雑な新十両決定となった。野球賭博の関与が名古屋場所前に発覚。かかわりが軽微だとして出場が認められた場所で、十両昇進を決めたからだ。

 相撲留学した鳥取城北高の先輩にあたる大関琴光喜が場所前に解雇された。自らと同じ境川部屋の豪栄道、豊響の両幕内力士は謹慎処分で、境川親方(元小結両国)も謹慎と、周囲は野球賭博で罰を受けた。
 皮肉にも、野球賭博問題が十両昇進を後押しした。東幕下4枚目で5勝2敗。いつもだと、ほかの力士の成績次第では十両に届かないことがよくある。今回は十両の4人が謹慎し、元琴光喜の解雇で関取の枠が一つ空き、文句なしの新十両。9日目に勝ち越し、関取の座をほぼ手中にしても「親方とおかみさんは、どんな時でも僕を子供のようにかわいがってくれた」と、伏し目がちだったのも無理はなかった。
 13日目には名古屋場所の部屋宿舎に関し、境川部屋が暴力団との交流を指摘される会社から土地を購入したことが報じられ、さらなる騒動に巻き込まれた。城ノ龍は昨年11月に日本国籍を取得。姓を師匠の本名からもらって「小林」にした。普通なら師弟そろって祝福ムードに包まれるが、今回ばかりは事情が違った。

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2010年7月28日のニュース