初キャップ金沢良がトライ!攻守で魅せた

[ 2010年5月9日 06:00 ]

<日本・アラビアンガルフ>後半10分、トライを決める金沢

 【日本60―5アラビアンガルフ】ラグビー日本代表は8日、11年W杯のアジア地区最終予選を兼ねたアジア5カ国対抗第2戦を秩父宮で行い、先発で初キャップを獲得したCTB金沢良(28=リコー)が1トライを挙げるなど攻守で活躍した。SH和田耕二(25=トヨタ自動車)とSO山中亮平(21=早大4年)も初キャップ。2連勝の日本はこの日、カザフスタンを19―15で下した香港(3戦消化)と勝ち点12で並んだ。日本は15日に秩父宮でカザフスタンと対戦する。

 大型化が進むCTBでは小柄な1メートル74の金沢が存在感を見せた。中東居住の英国人で編成するアラビアンガルフの選手をタックルで仰向けにし、後半10分にはタックラーを引きずってトライ。カーワン・ヘッドコーチから「いいコンタクトをする」と評価された。
 「持ち味はステップとパス」。そのパスセンスも後半2分に発揮した。右ラインアウトからの左展開で、逆サイドから参加したWTB遠藤に絶妙なリバースのパスを通した。「外のCTBか内のWTBどちらかへパスするサイン」は一瞬の判断を要する。遠藤が抜け出し、FB松下までつないだ6人展開のトライには一番の歓声が送られた。
 メンバー落ちした昨年11月の日本代表合宿。紅白戦前日に急きょ呼ばれ「今回は漏れたが今後も見ている」とカーワン氏から言われた。「初めて代表を意識」し、トップリーグで外国人との当たりを磨いた。初キャップの代表戦で「サイズで不利とは思わなかった」と笑顔の手応え。強さと突進力ばかりが目立つ大型化時代だが、ひたむきでうまいCTBがいてもいい。
 <山中トライ演出>早大4年のSO山中が後半14分から途中出場し、初キャップを獲得した。ハンドリングミスもあったが、27分には相手を引きつけてから左へ展開し10本目のトライを演出。大学生の代表SOは05年の森田恭平(当時法大、現神戸製鋼)以来5年ぶり、早大では76年の星野繁一以来34年ぶりで「大学のうちにキャップが欲しかったので夢がかなった。でも来年のW杯に出場するためコミュニケーション、キックの精度、守りをアップさせたい」とどん欲だった。
 <渡辺さん悼み試合前に黙とう>4月3日に亡くなった元日本代表フランカー渡辺泰憲さん(享年35)を悼み、試合前に黙とうがささげられた。真由美夫人と2人の子供がスタンドから見守る中、選手は左腕に喪章をつけてプレー。同僚だった東芝のラグビー部員全員も観戦し、WTB広瀬主将は「天国で喜んでくれると思う」と話した。
 ▼カーワン・ヘッドコーチ 仲村、藤田、山中、和田ら若いメンバーが頑張った。スタートを良くするのが課題だったが、韓国戦と先発9人を入れ替えたこともあってミスが多く、達成できなかった。
 ▼SH和田 初キャップは自信になった。ジャパンの名に恥じないように今季はトヨタでレギュラーを狙わないと。(後半10分から代表初出場、2分後に初トライ)

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2010年5月9日のニュース